今さら言うことではないが、野球の衰退と同時に、オヤジの権限というものも衰退してきてい
る。
たとえばチャンネル権というものも、かつてはオヤジが非常に強い権限をもっていたように思
うが弱くなった。
かつて、オヤジたちがいちばんの楽しみにしていたビール片手にプロ野球を思う存分テレビ
観戦するという光景は少なくなったに違いない。
かつては日本テレビの大看板であった巨人戦の中継の視聴率の低下がそれを物語ってい
る。プロ野球中継とテレビの「ドラえもん」(アニメ)なんかが重なると、何となく子ども向けのそっ ちの方が優先になるのはうちばかりではないことは視聴率調査の結果が物語っているわけ だ。
スポーツ中継というのは、ビデオに録って後で観たのでは臨場感に欠けて面白くない。NHK
の『昼のプレゼント』を夜に観るようなものだ。ビデオに録るなら「ドラえもん」の方だろう、と心 の奥では思いつつ、一緒に「ドラえもん」を観ていると、皮肉なことにのび太もジャイアンもスネ 夫も、いつも空き地で草野球ばかりしている。ああ、いいなぁ、やっぱり40歳を過ぎたとしても 「男の子」でいられるには草野球だよなぁ・・・とつくづく思った。そのような想いの蓄積も影の理 念として、なんちゃってヤンキースは生まれた。今、3歳になったばかりの息子は松井秀喜の 映像が映るたびに「あっ!ヤンキースだ!パパと一緒だ!」と喜び、叫ぶのであった。
2005年4月12日 ケアレ・スミス記す
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