シュテムターン、プルークターンで基本を確認してみよう。どちらも「ハの字」と「ニの字」が現れるが、運動構造の違いを考えてみよう。(2006年のつぶやき、2007年のつぶやきを参照されたい。)
シュテムターン:
外スキーのトレーニングに最適。パラレルでターンをしてきた後半に次の外スキーを側方に開く(ハの字で)。
ハの字に開くことで角付けがセットされる。ここからが大切。
あらゆる雪質でスキーが谷へ落下する、そういう変化する状況であっても常に自重を与え続けて舵取りができるか、という質を見てみよう、感じてみよう。超ゆっくり滑ってみよう。
プルークターン:
ハの字で滑るものからパラレルターンに変化していく状態をプルークターンと定義しているので、「これがプルークターンだ」というものはない。内足を主眼に内足を外旋させるトレーニングもあるが、ここでは、外スキーのトレーニングを主眼にしていきたい。
シュテムターンでは、舵取り時間中角付けをキープしている感覚になる。そして、ターンとターンのつなぎ目で「切替」をしている感覚になる。
それに対し、プルークターン ⇒ パラレルターン に変化させていくには、「外スキーの角付けを緩める」というところがポイントになる。外スキーの角付けがゆるまないと、2本のスキーの角付けが同調しないのだ。
プルークターンの滑りで緩斜面から急斜面まで、あらゆる斜度を滑ってみよう。
急斜面では深回りするとスピードをコントロールでき、ゆっくり滑ることができる。
外スキーに自重を集めると、外力と相まってスキーがたわむことを感じてみよう。
次のターンへの方向性が定まったら、角付けをゆるめて次の舵取りを始めよう。
特に基礎スキーヤーは、ターンをすることに一所懸命になってしまうので、それがパラレルターンの上達を阻害しているいことに気付いてみよう。
この時期、特にスキー指導者を目指している方と話をしていると必ず出てくる話題の一つ、
「今年の検定は滑り方が変わるのですか?」という質問に必ず出会ってしまう。
そんな風に聞かれたら、どう答えますか?
【切り取っている場所が違っているのです。】
アルペンスキーはちっとも変わっていません。
先月内足について記述したところ、「そうではないだろう」という意見をいただきました。
意見をいただけるということは、ありがたいことです。
それから1か月、内足のことが頭から離れません。
もう少し、補足してみたいのです。
必要に応じて「内足をたたみたい(足を曲げたい)」と考えています。
これができると、重心を大きく内側に位置させることができるので、角付けやスキーのたわみをたくさん使えることになり、より自在さを手に入れることができるのだと思っているからです。
しかし、実際に滑り出すと、なかなか内足をたたむことはできません。
どちらかと言うと、内足がたためずに長いまま、つっかえ棒になっているように感じてしまいます。
きっと、床の上に両足が着いた状態で、体を倒してイメージトレーニングしてしまうからでしょう。
そこで、直立した状態で、内足を曲げてみました。
すると、内足は床から離れます。
そこで気付いたのですが、内足の位置をそのまま垂直に上に移動させると、足首を最初の時よりも「深く曲げる」ことが必要になっています。
しかし、スキー靴を履いていると、ブーツの設計以上には深く曲げることはできないのです。
実際に直立姿勢から、足首の角度を一定にしておいて、膝を上に引き上げてみてください。
足がたたまれると膝は元の位置より前に出ます。
両足を平行にそろえたまま垂直に引き上げようとしたら、内足がたためないのです。
内足はわずかに前に出していくつもりで前後差を作っていかないと、たためないのです。
重心を内側に移動させて内足をたためている人を観察すると、内足は外足よりもわずかに前に位置しています。
切替の位置からフォールラインに移動する間に、内足は外足よりも前に出していくように動かしていくと、内足をたたみながら重心位置を下げることができるでしょう。
内足を前に出すと外足が引けて遅れると思ってしまう方、それは内足を前に出すからが原因ではなくて、外足の足首をブーツの設計以上に曲げようとしていることが原因であるはずです。
所属する東京都スキー連盟が本年度より開催する行事に参加してきました。
講師は、飯島庸一さん(コンディショニングコーチ)、宮野由紀子さん(ピラティストレーナー)。
実技内容は、
1)正しいアライメント(骨の整列)チェック。
2)ピラティスエクササイズによるシンプルな確認法。
3)動的(前後、左右)な部分でのアライメントコントロール。
4)スキー動作を意識したフィールドトレーニング。
その他、バランスボールを活用したトレーニングやVTRチェックなど。
雪上のパフォーマンスを上げるには、体ができていないと実現できない領域がかなりあります。
体の左右差を解消したり、動きのリハーサルをしたり、平地だったり、斜面だったり。
飯島さんと直接お話できたので、色々確認させていただきました。
クラブ単位では集客のむずかしいこのような講習会は、連盟で開催していただけるとありがたいです。
来年度も開催する予定なので、生涯スキーヤーもこのような機会を利用して、自分の姿を見直してみよう。
私は新潟から0泊3日の弾丸ツアー(?)で参加しました。
2007.9.15の図が再々登場です。図1は一つのパーツをコピーして左右スキーに見立てて配置しましたので、左右同一の図になっています。
どうも皆さん、スキーヤーの運動ぶりからスキーを考えているようですが、スキーヤーの運動ぶりを考える前にスキー自体の移動を考えてみましょう。
だって、滑っているのはスキーなのですから。
(スキーヤーが滑るのは転倒した時です。)
俯瞰図を見ていただいて、2本のスキーが、どのように移動した時にスムースに滑るのか、ということです。
私は、左右のスキーが同距離を滑る時に、一番スムースで速いと思うのです。
同距離を滑るには、右スキーと左スキーの回転半径の中心点は一致しないはずです。
回転に入る所で左右のスキーの先端を結んだ線は谷を向いていて、回転が終わる所でもその線は谷を向いているはず。
内向でも外向でもなく、「谷向き」と言っている所以はここから来ています。
もちろん、スピードと、要求される回転弧の深さにより、変化をする応用が必要になってくることは言うまでもありません。
それに対し、左右のスキーの回転半径の中心を一つに重ねてみましょう。(図2)
明らかに外スキーの滑る距離が長くなります。
この場合は、外スキーを基準にすると、内スキーにブレーキがかかってしまいます。
明らかに減速してしまいますね。また、スキーヤーが回転の内側に居続けることになりますから、減速が助長されます。谷へ落ちていかないのですから。
そういう滑りをした時のスキーヤーの感覚としては、内スキーの場所を基準に考えてしまい、外スキーが前に出てくると感じることと思います。
だから、内スキーを前に前に滑らせていく気がないと、左右のスキーは同距離を滑ってくれないはずです。(これはスキーヤーの感覚として)
また、見ている人と滑っている人の目線も違いますので、スキーヤーの運動ぶりは別に考えた方がいいのかもしれません。
まあ、スキーの滑走を楽しむにはどちらでも良いのですが、速いスキーを目指すには減速要素を極力排除したいと考えています。
それにしても、「内足を前に」という表現に納得できない違和感がある人が多いことがわかりました。
プルークターンでの滑りをパラレルターンに発展させていくとき、内スキーの扱い方を変化させていくのだが、その変化させる表現の一つとして、「内スキーを外スキーと同じように動かしてみよう」と声をかける。
これは皆さんに納得していただける表現だと思います。
さて、そこで・・・。
ここで私は、「内スキーを外スキーと同じように動かしてみよう」=「内スキーが外スキーと同じ」=「外スキーが2本ある。」と考えてしまいます。
最近頭から離れないのは、「純粋な、効率的な、無駄のない、パラレルターン」って、どういうものだろうか?
道具が進化した現代では、2本のスキーが同調した時が一番無駄のない滑りになると思えてくる。
外スキー、内スキーが別々の役割をしているのでなく、2本の外スキーがあるような滑り。
急斜面やハイスピードでも、スキーが雪面にへばりついているように、無駄な雪煙もあがらずに推進するスキー。
両スキーと腰を結ぶ足のラインが常に平行になっている滑り。
そう考えていると、佐藤久哉くんの動きが理想的に見えてくる。
「佐藤久哉 ぜったい上手くなる12の法則」皆さん、ソックスは何を使っていますか?
まさか、ビジネスソックスではないでしょうね?
人間とマテリアルをジョイントしているのはブーツである。
ブーツの良し悪しはスキーイングに大きく影響してくる。
しかし、そのブーツと足をジョイントしているもの、それがソックスであると思っている。
ソックスがしっくりこないと、滑走中に無駄な動きがでてくるのである。
人によって要求する順序は違うと思うが、求められるソックスの性能としては、
1)薄い素材による雪面感覚の伝達性
2)摩擦強度と衝撃吸収性
3)保温性と透湿性
などなど・・・。
10年程前にスキーウエアメーカーで仕事をしていた時から、ソックスの重要性を指摘していたが、製品開発までには至らなかった。今まで色々なメーカーのものを使ってみたが、保温性が良いかと思えばムレるし、衝撃吸収を求めると厚ぼったくなったりして、納得する物に出会えないでいた。
スキーシーズンが始まるとなかなか行けないのがスキーショップ。夏に某ショップの担当の方に相談したら、良いものを紹介してくれまして、入荷の連絡を受け購入してきました。
イタリア製の「 X-SOCKS 」。 http://www.x-socks.com/ 私は「CARVING ULTRALIGHT」を2足。左右非対称の作り、右用・左用と分かれているスキー専用の設計だ。
2年間の製品保証制度がある自信作のようである。
前回の山回りに関する記事は、2006.9.18でしたが、今回は山回りのイメージについて。
イメージトレーニングに関しては、2006.6.22、2007.2.14の記事のとおり、私の頭の中にはスキー単体が登場します。
直滑降からスタートして、最初の山回りです。スキー単体が動きます。
いきなりですが、陸上競技の200m走を逆走してみてください。
参加選手は1コースと2コースの二人です。
2人の速度は同じです。
直線で横に並んだ状態でコーナーに入ります。
等速度なので同時にゴールします。 = 1コースと2コースでゴールのポイントが違います。
コース上の選手の目線で見た画像と、観客席から見た画像は違います。見る角度によって認識は変わってきます。
だから、内側のコースにいる人の方が前を走っているようにも見えるのです。
何が正しくて、何が間違いだというのでなく、ただそう見えるのです。
スキーの話に戻しますと、
体の向きを谷向きにキープして、直滑降から山回りをしてみると、「200m走の逆走」が体感できます。横滑りを伴う低速で行うとなおさらでしょう。
そして連続ターンをしていくスピードのもとでは、
スピード・斜度・回転弧の大きさによって、スキーの角付けを強めたり緩めたり、スキーのたわみの量や、スキーに受ける外力の方向などがが変化するので、スキー単体の滑走状況と形状は一通りではありません。さまざまな画像・映像を想い描くことになります。そういう状況の中で、2本のスキーが理想的に移動するイメージを作り上げていきます。例年イメージをリセットし、新規に作り上げる作業をしています。
まず、スキー単体の状況を思い描き、それから、その変化するスキーの上で、スキーヤーがどう動くと一番無駄が無いか、を私はイメージしていきます。
是非、「このラインにスキーを滑らせたい」、「このタイミングで角付けを緩めてスキーを滑らせたい」というスキーが主人公のターンを練習してみてほしいと思います。フリースキーで
私はこういう観点で、スキーヤーの運動ぶりと結果を見ていきたいと思っています。
なかのZEROホールで18:00〜開催された研修会に参加しました。
過去の準指導員受検者数の推移を見た。全国的に受検者数は減少している。雪国の筆頭新潟県では30人を切っている。
指導員検定ではどうか。
東京、神奈川、愛知など都会のスキーヤーの受検者数は横バイなのには驚きだ。こちらも雪国の受検者数は軒並み減少している。
地方に住んでいる私の感覚としては、景気が良くない地方では、スキーなどの娯楽に支出するほど余裕がないこと、低所得な傾向にあるのが第1。スキー以外に冬場にも他に楽しいことが色々あることが第2。(お金をかけずに余暇を過ごす傾向にあるのではないか。)と思う。
次に受検者の年齢層をここ数年見てみると、30歳、40歳、50歳台が中核をなし、60歳以上と20歳台の人数が同じ位に少ない傾向にある。中高年が主役なのだ。(若い人が少ないことに危機を感じている。)
そこで考えるのは、
中高年になると体の動き、キレは、若い時のようにはいかないこと。
この年代で指導者検定にトライしている人の傾向としてはスピードに弱いこと。
若い時にパフォーマンスが高かったスキーヤーが年を取ってスキーをするのと比べ、普通の人が中高年になってから技術のパフォーマンスを高めるには難易度はとても高いと思う。
指導者検定は、プライズ検定や技術選のようにパフォーマンスの優劣が求めらているのではなく、指導者としてのデモンストレーション能力が求められているのだから、中高年であっても運動要素(回転弧をどう描くか、スキーの上でどうバランスを取るか)を表現してほしいと思う。
私見なのだが、各年代別の標準的な滑り、というのがあってもいいと思う。
検定員としてジャッジする場合も、若い人の動き(パフォーマンス)を基準にするのでなく、滑り手の表現力が指導者にふさわしいか、というような観点で見ていきたいと思っている。
この時期、指導者研修会に向けて、いろいろ基本的なことを確認していくのであるが、説明している人がどんな斜面で、どのこらいのスピードで滑走することを前提に話をしているのかを気付いてほしい。
他人の話を聞きながら、状況を思い描き、イメージ(映像)を作り上げていく。
そのイメージの作り方を間違えると妄想に近くなってくるかもしれない。
重力方向を感じろ、と言われても、平地や緩斜面で、しかも低速で直進している時にしか感じられないはずだ。
実際にターンをして移動している中でのスキーヤーが、重力方向を意識してしまっては、落下運動を阻害する力が間違いなく働いてしまうはずだ。
私は斜面に垂直に位置する場所を基準と考えていきたい。
スキーの中央付近に真上から重みを与えていきたいからだ。
急斜面では、頭の位置がすごく谷側にあって、調度良いバランスとなる。ここまで行けない人が多いのではないか。
続いて、プルークターンの後姿のイメージを作ってみました。
ここで重力方向を意識してしまうと、上体は外スキーにまとわりついてしまう。
ターンの後半に外スキーの角付けをキープしすぎることに原因があるかもしれない。
バランス良く滑る目標は、緩中斜面でゆっくり滑ること。
特にシーズン初めは、ゆっくり滑ることをオススメします。
納得でたら、急斜面でもゆっくり滑ってみる。
上手に抵抗を捕らえることができたら、自在にコントロールできる領域と調整力が確実に広がってくるだろう。
北海道小樽市で開催されました。予定の朝里川温泉スキー場は例年よりも降雪が少なかったため、札幌国際スキー場にて実技研修でした。
講師は佐藤久哉ナショナルデモ、宮崎友見子イグザミナー。
最終日は先日飯島庸一さんから学んだ、体のアライメント、バランスの取り方などをブロック員全員で確認しました。
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今月開催されるスキー指導者研修会の2会場を担当しますので、参加される先生方へ還元できるよう頑張ります。
今日は早起きして、天元台スキー場へ。第2リフトは一番乗りでした。
先週のおさらいをして、次週に備えます。
いよいよ2008シーズンの指導活動が始まりました。25年目の記念となる年です。
今回は菅平高原スキー場で、845名の研修会は49班編成でした。私は16班を担当させていただきました。
初日のスタート45分はフィットネスの確認から。
7班が小グループになり、サンホテルのコンベンションホールをお借りして、9月・10月に飯島庸一さんから教えていただいた内容をベースに、足首・膝・股関節を動かした時の状況やバランスの確認を、参加された先生方と確認しました。
滑る前の動作のシミュレーションと、感覚と実際の誤差確認は、16班の先生方には良い評価をいただきました。
実技は、ファミリーコース、裏ダボスコース、白金コースを各グループ別に時間割を編成して、半日づつ移動しながら行いました。この時期に滑走コースを確保していただいた菅平高原スキー場の皆様、ありがとうございました。
2日間の研修会で、参加された先生方とともに私自身も新しい気付きがありました。ありがとうございました。
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終了後は、宮崎イグザミナーにプルークターンのトレーニングを2時間程お付き合いいただきました。感謝。
今日、朝日村のみどりの里(道の駅)に立ち寄った時に、「あれれ」と思うチラシを発見!
なんと、下越エリアの5つのスキー場がまとまりました!
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シーズン券を買った方に朗報です。各スキー場の1日券割引が受けられます。どこも良いコースがありますので楽しみが広がりますね。
ちなみに私は、ぶどうスキー場レストランの「熊汁」ファンです。
マタギのおじさんが丁寧に作った熊汁は、くさみも無く絶品です。
今年も行こうっと。
今月初めに、新潟県庁から骨髄バンクの啓蒙ポスターが自宅に届いていました。
最近は雪もちらつき始め、新潟県の下越エリアの5つのスキー場は、オープン準備を進めています。
そんな中、中越エリアのスキーの友人が血液の病気であること、骨髄バンクのドナー出現がいまだ無いこと、スキーヤーに身近に感じていただき啓蒙をはかりたいこと、これらの主旨とともに、
1)骨髄バンクドナー登録の啓蒙ポスター。
2)新潟県での受付け場所と連絡先の一覧(県庁のホームページ)
3)「スキーの仲間が困っています」という文章。
これらを各スキー場に掲示していただけるよう、お願いしてみました。
各スキー場の責任者の方は、快く受け入れてくださりました。
みなさん、「微力ではありますが、協力させていただきます。」と、とてもありがたい言葉をいただきました。
これらのポスターを見て行動に移してくださる方の出現を期待しています。
私としては、こらからも勇気を持って行動しよう、批判されてもいいから行動しよう、そんな思いをした日でした。
今月3回目の研修会です。今回も菅平高原スキー場で、688名の参加で39班編成でした。私は29班を担当させていただきました。
今週は積雪も増え、全面滑走可能になりましたのでエリア規制は無く、時間一杯滑ることができました。
29班の方はほとんどが今シーズン初滑りとのこと。低速からスタートし、ストックを活用したバランストレーニングまで研修することができました。
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終了後は、今週も宮崎イグザミナーに2時間程お付き合いいただきトレーニングしました。感謝。
奥只見丸山スキー場へ行ってきました。星直樹デモと、Japan Teamの星瑞枝選手に稽古つけていただきました。
上部集合後、足慣らしを1本。足慣らしに飛び込んだ急斜面は膝上まであるパウダー。どこまでも深雪。足は慣れる前に大騒ぎでありました。
奥只見のパウダーポイントもしっかり伝授していただきましたし、とても充実した一日となりました。
濃い内容をありがとう!
年末寒波で地元のスキー場もオープンしました。
午前はお客様も少なく、スキー学校メンバーでトレーニング。
午後は11歳から6歳の6名を担当。この年齢ではなかなかプルーク(ハの字)から抜け出せないところがありますね。
止まっている時に、「少ししゃがみながら片足を横(または斜め前)に出す」動作をして、その感覚を持って滑ってもらいます。
「片プルーク」のバランスを覚えてもらうのですね。外スキーで抵抗をとらえることと、重心をターンの内側にセットすることを同時に行うことに慣れていきます。するとパラレルターンができるようになってきます。
慣れてきたら、ぼこぼこの所をあえて滑ったり、コースの端から端まで移動しながら「探検」したりします。
とびっきりの笑顔が返ってきます。
みなさま、今年もよろしくおねがいします。
正月2日は、例年スキー場に沢山の方が来場される日。今年も午前中から第一リフトに行列ができました。
午前は今日がスキーが初めてという12歳、9歳、5歳のファミリーを担当。平地での諸動作で長いスキーに慣れていただき、その後スキーを持ってのリフト乗車。800mの緩斜面を完走です。
午後は11歳のプライベートレッスンを担当。昨年の3月以来で今シーズン初めてとのこと。止まることから始めまして、800mの緩斜面を5本完走しました。
ということで一日中プルークで過ごす。それも子ども用の低速でブレーキをかけながら。
長時間のプルークポジションは外スキーのトレーニングばかりでなく、、股関節まわりの筋肉のストレッチを長時間行っているようなもの。一石二鳥である。
午前は77歳のお父さんと息子さん夫妻のグループレッスン。
片プルークになるよう、しゃがみながら外スキーを横(少し斜め前)に出していく。
外スキーにも内スキーにも荷重がかかるので、凸凹があったり、荒れているゲレンデでも安定して滑ることができる、筋肉に負担が少ないので長時間滑っても楽である、スキーが簡単にまわってくれる、と感想をいただきました。
少しスピードが出るとパラレルターンに変化していくことを実感していただきました。
終了後はスキー学校仲間と片プルーク、プルークターンのトレーニングを行う。プルークターンを行うことで、自分のパラレルターンのどこに問題があるのかが浮き彫りになることを各自実感したようです。
今日は午前のレッスンが始まる1時間前に行われるワンポイントレッスンを担当しました。
クラブ員の方が生徒さんでしたので、基本となるバランスを確認し、クラブミーティングで行う予定の基本練習を予習していただきました。
引き続き午前は両親と小学生2人のグループレッスンを担当。今日が初めてのスキーになる「お父さん」を中心に、初歩動作、階段登行、階段下行、ハの字でブレーキを平地で確認し、レッスン開始後1時間で、いざ第1リフトへ。
降り場が平地ではなく、スロープになっているリフトを降りるときに、「立ち上がる」という動作を何気なくすると、スキーがどんどん下へ滑っていき身体が後ろに取り残されるようになり、転倒してしまうこともしばしば。
手を膝に置いておき、そこから脛の方へ手を下ろしながら頭も前に傾けていくと、腰が高い位置に上がるので、斜面を滑るバランス取りがやさしくなる。乗車中にこの説明を聞いていただき、いざ本番でしたが、とても良いバランスで滑ることができました。
最初の斜面はもちろん階段下行。そして緩斜面に到達したら、まっすぐ滑って止まる、ななめに滑って止まるを繰り返します。
(初心者への指導独自論を参照)
そして時間内に800mを2本滑ることができました。
今日からジュニア教室の日曜コースが始まりました。不定期で参加する私はクラスを受け持つことができないので、最初のクラス分けをお手伝いしました。滑る前に「山頂から自信をもって滑ることができる人」という声がけには手が上がらず、「では、何とか山頂から滑ってこれる人」という声には身体が大きな8人くらいが手を上げてくれました。続いて、「ペアリフトから滑ることができる人」、「ちょっと自信がない人」で大まかな自己申告で分けておいて、実際に滑ってもらい、38名から5つのグループ編成ができました。
編成後、カミナリの光と音。まだ遠いところでしたが、全員でハウスへ避難しました。10分くらいしたら、黒い雲も通りすぎたので再開です。全員無事でなにより。楽しそうな笑顔の子どもたちが、ゲレンデいっぱいに広がり、スキーを楽しんでいます。
昨日より菅平にて開催されています。今回は14班(16名)を担当させていただきました。
今回が3日間で、2月に2日間開催されます。
ベーシックなトレーニングを題材に、緩斜面から急斜面まで、スピードコントロールと回転弧を意識していただきました。
3月の検定会に向けて、何をどうトレーニングしていくと良いか、お伝えできたと思います。
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受講生から頼りにされる指導者になってくださいね。
そう、今シーズン初めて、ナイトスキーイングに出かけてきました。仕事帰りに行けるところに幸せを感じてしまいます。
今日は急斜面でプルークボーゲンを1時間、プルークターンを1時間練習できました。
内容は、「高速ターンで使える外足」の練習。
久しぶりの自習時間、影が先生でした。
このDVDの映像をどう見ますか?
きっと受検者は冊子の方(文字群)の方を心の中に留めているのだろうな?(オフィシャルブックも)
速いスキーをするためのエッセンスが凝縮されているように感じてしまう。
映像を見て、感じる、今までの頭の中の映像と比較して、何が違うのかを感じる作業、1回でわからなくても、何度も何度も見ていると、色々な画像に共通していることに気付いてくる。
自分で気付くことが大切だ。
私は今、外足を注目して見ている。
先週より行われているクラブミーティング。先週は参加できませんでしたが、今日は参加してきました。
今日は13名が集合。私はガイド役を務めさせていただきました。
シーズン初めなので、バランスの確認、特に左右のバランスを確認しました。
重心(センター)を感じるトレーニングでした。
雪がいっぱい降っていたので写真が撮れませんでしたが、
仲間と一緒に滑る時間は最高!
第7組で5位でした。
新しい事を試みましたがうまくいきませんでした。
無駄な動作が多いことが実感できました。
昨日の大会では3本しか滑ってないのに、身体の疲れを感じた。無駄な筋肉の動き、特に緊張させるような使い方になっていたようだ。急斜面とハイスピードでは「ジタバタ」しているようだ。
今日は仕事を早めに切り上げ、ナイターでトレーニング。
急斜面でプルークボーゲンやプルークターンをトレーニングしているところに、昨日までスキー大学に参加していた仲間が合流。デモと一緒に滑った1次ソースを伝達していただきました。
そこで気が付くのは、昨日まで雪とスキーが喧嘩していたということ。原因は緩斜面で行うプルークターンをそのまま急斜面で行っていたこと、無駄なことが多すぎていたのだ。
向かうべきところは、「無駄が多いものから洗練されたものへ」。
目標は雪面に勝つのではなく、「引き分け」。
最後の1本の感覚を次回にも再現してみよう・・・。
歴史の話ではありません。新潟県では燕市分水まつりで行われているパレードがあります。
そのパレードでおいらんが歩く姿、歩き方。前後に配置された足、後ろにある足を円を描くように動かして前に配置する。
そんな動きを外足に加えてみたい。
しかし、こんな運動をしたらこんなシュプールが出来てしまいました、というのは好きではない。
こんな滑走ラインを描きたい、と思ってスキーをトレースする中で身体の動きを試さないと意味がないと思っています。
究極の身体(からだ)
高岡英夫著
講談社
今まで感じたことが無い感覚に気付くかもしれません。
1月に続き2回目です。今回は10班を担当させていただきました。
バランスの課題と外スキーの課題を中心に、全種目をトレーニング。どの種目にも共通する外スキーの理解が深まりました。
練習では「速く滑る」を目標にした時、筋肉の緊張によりスキーにブレーキがかかる現象が見られましたので、「笑顔」を課題にしてみました。笑顔で滑るのです。
笑顔がキープできた時、体の余分な緊張がとける感覚を体感していただきました。
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祈全員合格!
スキー指導者の実技検定では、種目が設定されており、それらのカテゴリは、「テールコントロールの技術」、「トップ&テールコントロールの技術」、「トップコントロールの技術」という名称が今シーズンも使われている。
これも含め、現教程の記述表現は、スキーヤーを見ている側の立場で感想や感覚が記述されていると思う。そういう風に見える、という訳だ。
だから、指導者側から言えばそのとおりなのだが、スキーヤー側から見たら、操作感覚等などを言い当てていない事に気付いているだろうか?
どのカテゴリでも、スキーのトップからテールまでコントロール(制御)してスキーヤーは滑っているのだから、私はこの言葉は好きになれない。
スキーヤー側の感覚(見えないもの)は想像するしかない。
しかし、あちらこちらの路上でしゃがみこんでしまう若者なのだから、そんなことをしたら数秒後のシーンでは、後から来る人の邪魔になるということをイメージできないように、見えないものを想像できないのかな?
某大学の心理学教授のお話の冒頭では、「愛という存在を信じますか?」で始めると言う。見えないものの代名詞だそうだ。
そういう訳でカテゴリを説明する時に私は、「ゆっくり滑るカテゴリ」、「なめらかに滑るカテゴリ」、「速く滑るカテゴリ」という言葉に置き換えて説明してみる。そういう風に滑ろうという意思をもってスタートしていますか?
昨日はレッスン4単位。早朝ワンポイント、パラレルターンを目指す班(大人、中2、小3)、今日初めての主婦3人、夕方はジュニア教室日曜コースの2回目の初日でクラス分けと初心者の子ども2人を担当しました。
今日は準指導員を受検される方の1日コースを担当しました。
新潟は久しぶりに晴れまして、山頂からは日本海が一望できました。
それと、午後には、山頂へ上がるリフトの左側斜面に「かもしか」が2頭出没していました。3本滑るたびに2頭は位置を変えていましたが、3回も確認することができました。
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祈合格!
今日の大人の部活は「ゲートトレーニング」。中急斜面のナイターコースは1コースしかないため、一般のお客様の邪魔にならないよう、極力コースの端にセットします。GSのセッティングで9旗門ほど。
参加されたメンバーは、改めてスキーの楽しさを感じたみたいで、それぞれに楽しそうなコメントを述べられていました。
実質40分ほどで終了。
初心者を連れた指導者がコース付近を滑ってくる。
共存共栄は難しい。
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この週末は菅平高原のヴィラ十の原さん主催の講習会をお手伝いしてきました。
まずはロビーで片プルークの動きを撮影して確認。それを緩斜面の直滑降の中で片プルークに移行した時のバランスの取り方を確認。
初日はとまどっていた皆さんも帰る頃にはとても良い状態になってきました。
それぞれの方にとって、目標に近づいた2日間になったと思います。
このまま進んでほしいと思います。
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サンホテル前にて
本日のクラブミーティングは、久しぶりの晴れで満月に近い月夜になりました。
まるで、ナイター照明が1基増えたような明るさでした。
こういう日は『放射冷却』作用で気温が奪われるため、どんどん気温が下がってくる。
帰りには車載温度計が「−2度」を指していた。
今日は、小回りのリズムを借りて、切替えの回数を多くして、体の運び方をトレーニング。
小回りのリズムだと、失敗してもめげずに何回もトライできるので好きだ。
中回りや大回りだと、回数が少ないので、できない経験が多くなったうえ、そのまま滑走が終わってしまう。
小回りのリズムでは、『勇気を持って谷へ移動すること』も、勢いの力を借りれるので、うまくできる経験の回数が多くなる。
まずは良い体験をして、それから洗練される過程を進めば、うまくいく確率が上がっていくのだ。
大雪の中、白馬五竜スキー場で開催されました。
第7組で3位でした。
速いスキーになるよう、力を抜いた滑りが少しできるようになってきました。
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先週と同じテーマで進めてみました。今日も小回りのリズムを借りてトレーニング。
スタートする前の立ち方の確認をする。腿の前面の筋肉をゆるめた状態で立つことを感じてみる。
滑り出してからは、切替タイミングで斜面に垂直に立てているか、そこから体を谷へ落とすことと外スキーで抵抗をキャッチすることが両立しているか、低速で確認していく。
そして、滑り手の意識の観点を、
1)ターンの後半の山回りの部分で、外スキーの角付けをはずしながら、体を谷へ落としていけるか。
2)ターンのつなぎ目で斜面に垂直に立てているか。
この時、両膝を寄せないで、左右の足首・膝・股関節で四角形を描いているか。
3)2の直後から外スキーで抵抗をとらえたか。
で、滑る度に観点を変えながら、足元のスタンス幅を変えながら、意識を感じてみることに徹してみる。低速〜なめらかに滑ることを組み合わせながら。
ターンの前半に雪面抵抗をとらえられたら、中急斜面でもゆっくり滑ることができることを理解していただけたと思う。
筋力にたよらない、お父さんたちの方が良いポジションを得ていた。
外足を長く使えず、外足を曲げて使う方は苦労していた。
役員は今日から集合し、現地スキー場関係者と打ち合わせや機材準備など。
今日の受付は15:00〜と20:00〜の2回。
22:00からは役員打ち合わせがあり、明日から3日間は外部の方々との接触を控え、缶詰状態になります。
午前中はロシニョールの2009年モデル、R8Sを試乗させていただきました。
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3日間とも好天に恵まれ、本日無事終了。
4種目づつ2日間行ない、最終日は制限滑降を行う。
赤と青の2コースを設営し、2班が同時に進行していく。
今日の私のタイムスケジュール。
6:00 起床、
6:30 食事、
7:00 山頂(モービルで)、設営開始となる。
その後、
8:30 インスペクション開始、
9:00 前走スタート、検定開始・・・
私はセッターと検定員を担当しました。
申込者数:362名、合格者数:103名でした。
合格された皆さん、愛される指導者になってくださいね。
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先週の菅平で、HEADチームのトレーニングに遭遇した。山田卓也選手の小回りを見てしまった。
それはそれは衝撃的な映像で、小回りなのにしっかりパラレルターンなのだ。
それも、どのシーンであっても板の推進力が落ちない。いや、落ちないどころか、どんどん下にせまってくる。
だから、今日はナイターに出かけてきた。100分間で20本ほど小回りターンをトレーニング。
後半の数本を仲間にチェックしてもらい、助言をいただいた。
片方のターンは思うイメージに近づいてきた。
もう片方のターンを仕上げるには、左足をタイミング良く引きつけることが課題かな。
なので、トレーニングは続きます。
再び白馬五竜スキー場へ行ってきました。今回はWILLCOM主催のデモキャンプに参加してきました。
午前は佐藤久哉デモの大回り。動きすぎるクセが発覚。
午後は中田良子デモの小回り。流石小回り1位の滑りでした。
お二人と滑ることで気が付いたこと、「滑走ポジション」と「外スキー」。高速度滑走時のイメージを改めることができました。
この時期は技術選、デモ選が終了した直後ということもあり、和やかな雰囲気でしたが、提示されたバリエーションでは、かつては出来たものがうまくできなかったり、辛口コメントがあったりで、とても楽しい一日でした。
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初夏のような気温の中、菅平高原スキー場で開催されました。
結果は、第7組で6位でした。
新しい試みもチャレンジしました。
まだまだ高得点は出ませんでしたが、今の私にとってはベストランだったと思います。
しかし、自己満足していないで、精進していきます。
会場には、プロカメラマンの鈴木浩さんが来ていまして、スタートリストから私を見つけてくださり、連写撮影していただけました。
また、大会終了後も3本撮影していただきました。
なので、写真は後日アップします。
CD到着が待ちどおしい・・・。
うまくなるということは、昨日までの自分と決別するということである。
うまくできなかった昨日の感覚を大事にしていては、変わることはできない。
今までとは違う領域に答えがあるのは明白であるから、昨日までのことに固執してはいけない。
さらに、自分がイメージしていた内容に対して、実際の滑りの中でスキーが滑る様子と身体のコーディネートの結果を、ビデオや写真などを通して、その現実を把握することから全てが始まる。
理想とのギャップを埋める作業が、上達を促すのである。
たとえ雪が消えようとも、本人がその気になれば、いつでも変われる。
やみくもに滑ってみても変わることはできない。
天候が安定するこの時期は、撮影トレーニングには最適なのだ。
うまくできる明日を思い描いて・・・。
今シーズン4回目となる研修会に参加してきました。
今回は、ポール班の9班を担当させていただきました。研修会でゲートトレーニングと記録会を行います。もちろん、研修会テーマもおりまぜて。
熊の湯スキー場の第4コース下部で、計測にはCT−400を使用し、GS2本を計測しました。
国体選手がラップでした。
29日には、ネットで知り合った京都の高校の先生と、初めてお会いすることができ、握手することがきました。
感激・・・。
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人により考え方が違うので、「基本」と言ってもきっと思うことは違うはず。
私にとっての基本は「動ける体」と「平地での立ち方」の見直しから始まる。
今、重点的に可動範囲を広げようと努力しているのが「肩甲骨まわり」。
肩甲骨付近の柔軟性は股関節の柔軟性へと連動しているらしい。(体の柔軟性は心の柔軟性とも連動しているらしい。)
また、上半身という大きな塊の意識から、細分化した意識とボディコントロールを手に入れたいと思う。
第1に平地でのバランス、自分の体のバランスをどう意識して、どう配置するか。
第2にスキーそのものの滑走具合はどうか、どうコントロールしたいのか。
それから、その上でスキーヤーはどう対処するかを考えるようにしている。
2006年の撮影トレーニングから丸2年になろうとしている。
滑走の一瞬を切り取った写真。そこには真実が写っている。
不格好な写りには、何らかの原因が必ずある。
その原因を探していくのも、この時期には最適だ。
今年も鈴木浩さんにお世話になり撮影トレーニングを予定しています。
技術員有志による撮影トレーニングに参加してきました。
会場は志賀高原熊の湯スキー場、今年も講師に竹村幸則さん(SAJイグザミナー小委員会委員長)、カメラマンの鈴木浩さんにご協力いただきました。
初日の夜は連続撮影された画像をスライドショーにして全員分を鑑賞。もちろん見るだけでなく、不格好なシーンとなってしまった原因を探りながら、意見を述べ合っていく。先輩後輩に関係なく、率直な意見が出されていく。
2時間もパソコンの画面にかじりつく大人の集団・・・。気の置けない仲間と過ごす楽しい時間だ。
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洗練化へ向かうには、無駄な動きを認識することから始まる。
しかし、無駄な動きを認識することはとても難しいことである。なにせ無意識で行っている動作なのだからタチが悪い。
さて、先日の撮影トレーニングの連写画像を眺めていると、発展途上の原因がいくつも見えてくる。
ハイシーズンでは良い感じであったものの、春になり雪が柔らかくなり融けだしてくると、スキーを動かしずらくなる。
谷回りの部分でスキーをずらそうとしても、ずれてくれないシーンを多く体験してしまう。
原因は、その働きかけの方向が悪かったり、身体のバランスが悪かったりするのだが、ずれなかったスキーの反動が身体に跳ね返ってくるので、身体のバランスの悪さがさらに増幅してしまうので、悪循環が生まれてくることになる。
私の場合、右腰が後ろに引けたり、外側に逃げてしまうようです。
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これが、どう悪さをするかと言うと、
谷回りの部分で右膝が必要以上に内側を向いてしまいます。
それと大腿部が内側に必要以上に捻られてしまい、大腿部と股関節の状態がロックされ固着される時間を長く作ってしまいます。
それが、切替時まで引きずってしまうことになります。
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すると、このシーンでは、もう少し腰〜上体を谷側へ落としたいのに、右足がつっかえ棒になってしまい、角付けを緩められなく、ブレーキがかかってしまいます。
上体の向きもフォールラインに向きたいのに許してくれません。
さらに、
右股関節のロック状態が開放されずに切り替えを迎えてしまうと、右足のつっかえ棒は、上体を上に持ち上げるという、できたらやりたくない抜重動作を強制的にさせてしまうので、全てが後手後手となる右ターンを生んでしまうのである。
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悪循環の完成である。
さて、週末までに改善できるのだろうか。
第2回目のトレーニング会場は、みつまたスキー場。講師に松本 悠佳さんをお迎えしました。私は今日1日だけの参加でした。
彼女は東京都予選1位でスキー技術選に出場している選手。しかし、ベースはRacerですね。
トレーニング課題にトライしていき評価をいただく訳ですが、ターン後半(山回りの部分)で左の外腰が上がっている指摘を連続して受けてしまいました。
← 矯正前の左腰
それに対し、滑りながらのストレッチを敢行。上がった外腰を下げてみます。
今までにない腰の動かし方に身体がムズムズしていましたが、外スキーの圧の感じ方はかつて無いもの。
斜面が荒れていようと、コブがあろうと、とてつもない安定感を得ることができた。
悠佳さん、ありがとう。
斜面に身体を適合させていく基本を改めて確認できました。
クローチングターンにも進化がみられた。
これを定着させたいので、まだまだ滑りたくなってしまった・・・。
谷回りの所から、意識的に外腰を下げてみる。外腰を下げて内腰を上げるような感じで動かしてみる。
頭の位置を動かさずに外腰を下げるようにして、身体全体が弓なりになる感じが目標だ。けっして頭の位置を外側に移動させてはいけない。
両スキーがフォールラインを向いた後、外スキーは現在位置よりもどんどん斜面の下に移動していく。
それに対し、今までは身体の準備ができていなかったのである。
外腰を下げて準備ができていると、角付けを緩めたい動きがスムースにいくのである。
山回りの部分で斜面の傾きと腰の傾きが平行になるとしめたもの。
切り替え時に上半身があばれなくなります。
ターンの内側に居ることに酔いしれていると、角付けを緩めようと思っても、足がつっかえ棒になってうまくいかない。
谷回りから切り替え時まで、角付けを緩める仕事に専念すると良いかもしれない。
外腰を下げて内腰を上げるように動かすと、「究極の身体:高岡英夫さん」が説明している半身づつ動かすことになるようだ。
そう、魚のさばき方。2つの身と背骨まわり、3つのパーツに分けるさばき方だ。
自分の身体を半身づつ動かすように考えていると浮かんでくる「三枚おろしの姿」。
「究極の身体:高岡英夫さん」が説明している半身づつ動かす方法で、背骨の1つづつを傾ける意識。
そして右半身と左半身全体が上下にスライドしていく。
直立した状態でも半身をずらす感覚がわかってきた。
直立した状態でも左右の足裏の位置に相当差を作れるようになってきた。
上半身という大きな四角いパーツに球関節で2つの足が着いているような感覚を持っていたが、今は違う。
股関節を支点に上体を傾けるという感覚を持っていたが、今は違う。
半身をスライドする方法でプルークボーゲンを滑ってみる。
外側半身の重さ全てが足裏に感じられるようになってきた。
外向・外傾ではない、半身がずれて斜度変化に対応しているような感じだ。
緩斜面を移動できるようになった初心者が必ず通る道。そう、緩斜面よりも急な斜面を移動しなければならないシーン に遭遇することである。
難しいのはバランスをとることと思う。特に進行方向を切り返そうとする時にバランスが崩れやすい。
初心者は転倒した時に足を捻ったり怪我をする確率が高いので、無理をさせてはいけない。
安全に斜面の下に移動するには・・・、
まずは、ハの字のスタンスで斜面を横に向き、立ってみる。
静止状態で確認することは、
(1)斜面の下側に位置する足場と、斜面の上側に位置する足場。
(2)そのハの字の中で身体をどこに位置させるか、重力方向を意識したり、斜面に垂直な方向を意識したり。
次に、ハの字で斜面を斜めに移動する。斜めに進み、方向を変えずにそのまま停止してみる。
そして、斜面の上側に位置する足で雪面抵抗をたくさん感じて止まるようにしてみる。
斜面を安全に下るには、この、『斜面の上側に位置する足で雪面抵抗をたくさん感じること』、がベースとなる。
雪面抵抗をたくさん感じた足=高い位置にあった足を、雪面抵抗をたくさん感じたまま自分の横にくることを感じてみる。すると、ターンの前半が成立しハの字のままフォールラインに向く位置に移動する。
そこからは斜面の逆側に移動することになり、雪面抵抗をたくさん感じて自分の横にいた足は、さらに斜面の下側に移動していくことになる。スキーと足が斜面の下側に移動していく場所に身体全体が付いていくように対応していく。恐がらずに積極的にスキーに身体を付けていくことが、雪面抵抗をたくさん感じることになり、スピードを制御できることになることを体感してほしいところである。
ターンの外側になる足が「自分より高い位置」⇒「自分の横」⇒「自分より低い位置」に移動することになる。
そして、その足が移動している最中は雪面抵抗をたくさん感じ続けるようにしてみる、ということが、斜面を安全に下ることになると思う。
ターン外側の足が「高い位置」⇒「横」⇒「低い位置」に移動する。
これは、初心者にも高速度で滑るレーサーにも適用される、避けられない条件である。
ターン外側の足が、どんどん斜面の下側へ移動するのであるが、それに合わせるように『身体』を斜面の下側へ移動しようとしているだろうか? 思っているだろうか?
そうしようと思っていないから、ターン外側の腰が上に吊りあがる位置におさまってしまい、スムースにスキーが動いてくれないことになるのだ。
ターン外側の足元が10cm下がったら、その足から肩までの半身全体が10cm下がるようにしてみる。
腰が吊り上る要素は皆無となる。
低速のプルークボーゲンで巧緻性を身につけようと思う。
スキーの醍醐味って何ですか? 何を求めますか?
フォールラインに落下すること・・・。
こうありたいと思いスタートしていく自己実現・・・。
同じシチュエーションが2度とない『今』を感じる・・・。
雪の上で繰り広げられる非日常・・・。
人それぞれだということは間違いありません。
色々あると思いますが、私としては、どんな風に滑ってもスキーヤーが楽しく感じることが一番ですし、自分も他人も怪我をしない・させないというスキーがいいなと思っております。
「そうじゃない、こうだ。」という発言をするスキーヤーと接する機会もありますが、名実とも日本を代表するスキーヤーたちの話を聞いていますと、「こういう見方もありますよ。こういう考え方もありますよ。」ということを共通して感じることができます。実に刺激的で魅力的な時間を与えてくれます。
発言する側にも違いがありますが、聞く側にも違いがあります。
聞き手側の物差しは自分が知っていることが全て。しかし、万象を知り尽くすことは無理ですから、自分の知らない所に答えがあることが多くあります。それに気付かずに自分の物差しでついつい計ってしまうことがあります・・・。自分の物差しの届かない所に答えがあることを想像していきたいですね。
また、相手の年齢や、性別や、スキー技術の習得度合いや、社会的な地位などは関係なく、相手の真意を感じていきたいと思っております。
前回の「外腰を下げるということ」、「三枚おろし」、「初心者のその後」で言いたかったことを再度整理していました。言葉だけでなく絵を描いてみました。
(1)で外腰が下がっていると、(2)へ素早く安定して移動することができる。
(1)で感じていた外腰を下げる意識を(3)まで持続すると、上体をスムースに運ぶことができる。
滑走スピードによって、長い方の足の長さを基準として動いても良いし、短い方の足の長さを基準として動いてもよい。
(1)または(2)の場所で次の外スキー(山側の足)を外側に動かすと、ハの字形状が現れるが、
(3)の場所で外スキーを外側に動かしても、ハの字形状が現れにくい。
(3)の場所を過ぎると、入れ替わった外スキーがどんどん斜面の下に落下し始めるので、(1)を目指していく。
※股関節の動きで足全体をコントロールするように心がけよう。
※足首を曲げすぎてブーツを変形させるような力の使い方はやめよう。
身体全体の半身を上下にずらすような意識・動きを加えていくと、安定感はさらに増していくはずだ。
この春のトレーニングは、4月:3日間、5月:5日間と思った以上に滑っていました。
撮影トレーニングで気付いた事を試すため、私にとって今までにない体の動かし方に慣れるために。
今、窓に備えられた【ブラインド】の動きをイメージしています。縦糸に吊られ、横方向に伸びている羽根、紐を動かすと、向こう側に傾いたり、こちら側に傾いたり・・・。
回転しながらも外スキー側の足場は、わずかづつ斜面の下側に移動していく。その斜度変化に対応するために、ブラインドの傾きのように、向こう側に傾けたり、こちら側に傾けたり、最大〜最大までの振幅で対応してみる。
低速時には、外足の長さを変えず(高い位置をキープしたまま)に、自重を効率よくスキーと外力に対応させることができ、斜面下へ落下することに対する無駄な抵抗を排除してくれる、そういう対応が可能になるようである。
高速時へ移行するには、より複雑な対応が必要になってきますが・・・。
6月は、これから3日間ほど雪上に立つ機会があります。もちろん月山です。
2009年シーズンで活用できる指導法に仕上げていきます。
友人が企画した星直樹さんとコブ斜面のトレーニングするプランに誘われて参加してきました。昨日と今日の2日間みっちりと。
スペシャルゲストとして関塚真美さん(アルペンJAPANチーム)、松原良輔さん(スキークロスJAPANチーム)、佐藤伸也さん(ジャンプ新潟県指定選手)が参加してくださいました。
コブ初心者へのカリキュラムが新鮮。
関塚真美さんと並走した時にストックワークの違いを発見。
半日後にはコピー完了!
修正前(午前) | 修正後(午後) |
ストックをスキーの向いている方向に振っています。 | スキーの向きは無視して、フォールライン方向に ストックを振っています。 |
若い選手と滑ると収穫大です。
また来年もこの企画やりましょ!
今週も月山です。コブと小回りのトレーニング。
「ズルズル・ドン」で体軸を整え、ストックワークに注意しながら、落下を止めないで降りていく。
3本目からは落下速度をさらに上げて。
ピッチの狭いコブの連続は対応の俊敏性を要求してくる。
板を下に向ける時間が無いほど狭いピッチ。
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回数券を使い切り下山。
「慈恩寺そば」(寒河江市八鍬264-2)
「行者菜」(長井村塾:長井市栄町4-17)
「馬刺し」(肉のすがい:飯豊町大字添川3176-5)
経由で、日帰りでした。
2006年のサンアントンの夜から2年が経過した。
私はスキーヤーでありたい・・・。ステンマルクのように滑りたい・・・。
そして、怪我をしない、させない、強いスキーを・・・。
指導活動で出会う老若男女のスキーヤーとスキーを楽しみたい・・・。
スキーの真髄を学び続けたい・・・。
所属する東京都スキー連盟より、教育本部専門委員の委嘱状が届いておりました。
所属も30年目となりました。微力ながらもう1期、スキー界の発展のために、お手伝いさせていただきたいと思います。
皆様、2010年シーズンまで、宜しくお願いいたします。
指導活動は26年目となります。
しかし、オリンピック選手やワールドカップ選手、全国大会へ出場するような選手への指導機会はもちろんありません。私の場合は、初心者であったり、うまく自己実現したい一般スキーヤーだったり、指導者としての技術を習得したい人への指導機会が全てであります。
そんな中、私の指導目標は、『 怪我をしてもらいたくない 』、これを一番に考えています。
無理なことをさせないで危険回避するのでなく、危険なことを危険と認識していただいて、怪我をしにくい体の使い方、バランスの取り方などを理解していただき、合理的な運動要領を習得していただきたいと思っています。
自分なりに目標を決めて取り組んでいく人を応援したいと思っています。
そして、スキーシーズンにパフォーマンスを上げるには、
(1)雪がない滑れない時期に如何に身体のシミュレーション、リハーサルができるか、
(2)スキー滑走時に動けない原因が、自分自身の身体の癖や柔軟性に起因していたりすることを認識すること、
(3)それらの原因を把握できて、如何に改善を図ることができるか、
この当たりが最も重要だと考えています。
目標が世界だったり、日本一でなくても、自分自身に対して何か目標や到達点を迎えたいと思ったのであれば、日常生活に起因する言い訳はせずに、自分の心に素直になって、心を無にして取り組んでほしいと思う。
私は所属するクラブの活動が特にないので、長岡市営スキー場でのグレステン・グランジャーを利用したスキートレーニングを定期的に行いたいと思っています。お暇な方は是非ご一緒に・・・。
新潟市美術館で開催されている「大ナポレオン展」に出かけてきました。
東京富士美術館の企画展。
東京富士美術館所有や個人所有の、絵画、ジュエリー、工芸品や歴史の証拠品の数々。
200年前のフランスにどっぷりと浸かってきました。
雪が消えたら、感動の貯金を。
SAJのホームページに養成講習日程の一部が掲載され、今期の申込みが開始されました。
私のスキー指導活動では、スキー学校に所属し子ども達と滑る機会も多くあり、それなりに勉強してきているところではあるが、この機会を活用し、さらに知識を深め、子ども達のスキーに良い影響を与えたいと考えているところである。
会場が東京なので、交通費や宿泊費がかなり必要になるようだか、何とか参加できるよう調整を図っていきたいと考えている。
競技とか基礎だとかではなく、「アルペンスキー」というカテゴリーでこれからも活動していきたいと思っています。
11月に行われる研修会は今年も小樽で開催されることが先日発表されました。
今年も北海道の方々にお世話になります。
って話すことも、いつもより1か月早くなってしまいました。
それはANAの旅割11月の予約開始が今日の9:30に始まったから。
とりあえず往復とも座席指定完了しました。
1月から5月まで考察し研究していた内容が11月に再確認される内容になるらしい。
考えていたんだから、少しは出来るようになりたいぞ。
ターンの切替しの時、体を入れ替えるタイミングでストックを突く。
どのように突くかはスキーヤーの自由意志による。大きな回転弧でも小さな回転弧でもパラレルターンであれば要領は同じだと思うので、どちらかを思い描きながら、読み進んでほしい。
そんなにスピードが出ていなくて、優雅に、ゆっくりと滑っている時は、どこにどう突こうが、ストックワークが滑りに与える影響なんてそんなに無いと思う。
しかし、問題はスピードを出した時だ。
80年代に放映されたスキーナウをリアルに見ていた世代では、「ビンディングのトゥピース当たりに突く」というフレーズが呪縛になっているかもしれない。
図のAのエリアに突こうとすると、
(1)振ったストックの動きにつられ、顔・上体がスキーの進行方向を向きやすくなる。
(2)Aの位置にあるストックと腕が『つっかえ棒』になり、上体が谷側へ落ちることが邪魔されてしまう。
(3)結果、スキーの角付けをゆるめるタイミングが遅くなる。その後はターン弧と運動の調和が難しくなり、スムースなターンが難しくなってしまう。
それに対し、Bのエリアに突こうとしたらどうだろうか、
(1)スキーと腕の間の空間が確保されて、上体がスムースに谷側へ落ちていく。
(2)スキーの角付けをゆるめるタイミングに自在さが生まれ、思い描くターンサイズと体のポジショニングに調和が生まれる。
スキーヤーの滑走感覚から考えてみると、
(1)山回りの後半、角付けをゆるめる作業をせずに、ストックを突こうとすると、(A)のエリアにストックを突くことになるだろう。
(2)山回りに後半、角付けをゆるめる作業を優先させ、ゆるめた後にストックを突こうとすると、(B)のエリアにストックを突くことになるだろう。
スピードがある中でスムースに滑るには、ターンの切替しの局面で、両スキーにしっかりウエイトがかかるようにしたいものである。それにはこの局面では頭〜上体をスムースに谷側へ落下させていきたい。
ストックを振る方向に意識を注ぐと、運動の調和がとれるタイミングを見つけることができるだろう。
私は、角付けをゆるめた後に、しっかりとストックを突いていきたい。
スキーの指導者は、心技体の『体』についてどのように考えているのだろうか。
スポーツのパフォーマンスを高い次元で発揮しつづけるには、それを実現できる体が必要になる。
そしてスポーツをしたことによって消費された体の組織を復元するには、栄養を摂るのが必要になる。
体が成長しきった大人にも当てはまるし、ましてや成長期の子供たちではなおさらだ。
栄養補給は、運動直後30分以内がベストと言われています。
日々のトレーニング直後に栄養補給を実践させているだろうか。
戦える体を作るために、怪我をしない体を作るために、強くてしなやかな体を作るために。
皆川賢太郎選手が10代の時にコーチから受けた指導の中には、『食』についてもあったそうです。
それも、将来世界一を目指して戦うために必要なこととして。
(詳しくは「皆川賢太郎が教えるスキー完全上達」をご覧ください。)
身近な試合の勝負よりも、体づくりは将来に向けても、最優先されなければいけないことと思う。
いつ、何を食べるのか。
私の身近では、サッカーとバスケットチームの子どもたちは実践している。
欧米のクラブチームでは当たり前として実践されているそうだ。
さて、各地域や学校のスキーチームではどうなのだろうか。
保護者の理解を得れば、チームとしての対応が実現できるはずだ。
心技体のそれぞれが、日本一、世界一を目指す道にすすまないと、選手の未来は開けてこないだろう。
選手はどこを目指すのだろうか?
それに対してコーチは何を提供できるのだろうか?
実技を面倒みるだけがスキーコーチではないことは確かなようだ。
世界レベルの情報を各地域で提供できて、
「それで君はどこまで目指す?」
という活動が出来たら、日本代表を目指すなどという誤った考え方は排除されるだろうし、「真に高いパフォーマンス」を目指すようになるであろう。
若い指導者に期待している。
平成21年度から新設されたコーチ制度の講習会に参加してきました。会場はナショナルトレーニングセンター。スポーツを科学する日本の総本山である。もちろん初めての訪問です。
(SAJコーチ制度とは=SAJホームページより:一貫指導システムのうち、主に小・中学生を対象に、個人の特性や各年齢における発育・発達の特徴に応じた指導を行えるコーチ養成(C級コーチ)を目的。SAJコーチ制度は、平成12年、文部科学省から公示された「スポーツ振興基本計画」に基づく施策の「一貫指導システムの構築」と「指導者の育成・確保」の実践事業として実施するもの。対象は、現在ナショナルチームのコーチか、またはSAJ登録会員であり、受講年度4月1日現在20歳以上であり、かつ所属加盟団体の推薦を受けた人)
私は商業施設(地域のスキー学校)で指導活動をする者として、地域の子ども達の可能性を広げる一躍を担うことができれば、と思い、所属加盟団体に申請し、参加することができました。
参加者は予定の倍の202人。初めての制度ということもあり、参加者の顔ぶれは、現ナショナルチームのコーチや元ナショナルチーム選手など、そうそうたる人達が熱心に受講されていました。
講習内容は、SAJのホームページに掲載されている日程のとおり。当日使用された資料は9日以降に公開されるということなので、興味がある方は是非ご覧ください。
私の身近には新潟アルビレックスというスポーツ団体があり、サッカーS級コーチの若杉さんの話を聞ける機会があり、種目は違えど世界観を覗けることができ、サッカーをする子ども達も冬にはスキーをする訳である。
このような環境で得ていた基礎知識を、この2日間の講習会で、幅を広げることと、実践するアイデアを得ることができた。特に栄養に関する事については、講師の柳沢さんと直接お話することができて収穫を得た。
もう1回集合講習が20日・21日とありますので、また参加してきます。
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全てのスキーヤーに平等に与えられる課題。斜面を下るということ。
「2008年5月14日初心者のその後」で記述した内容が再登場。
今回も外足に着目して考察したい。(内足については後日)
・・・ターンの外側になる足が「自分より高い位置」⇒「自分の横」⇒「自分より低い位置」に移動することになる。
・・・ターン外側の足が「高い位置」⇒「横」⇒「低い位置」に移動する。
これは、初心者にも高速度で滑るレーサーにも適用される、避けられない条件である。・・・
この高さの違いを数値化してみたい。
左右のスキーの外側エッジから外側エッジまで仮に40cmの幅であったとする。
斜度10度、20度、30度の斜面でどのくらいの高低差になるのだろうか?
その斜度を真横に横切る時が高さの最大値となるはずだ。
【フォールラインに対して真横に向いた時の高低差】
10度の時:約7cm
20度の時:約14.6cm
30度の時:約23cm
実際のスキー滑走でスキーが真横(フォールラインに対して90度方向)に向くことは止まる時以外はまずないと思う。
現実的なスキーの向きはフォールラインに対して0〜45度の範囲にあることが多いと思う。
その45度方向に移動する場合の高低差は、上記表の値の2分の1になるはずだ。
【フォールラインに対して45度に向いた時の高低差】
10度の時:約3.5cm
20度の時:約7.3cm
30度の時:約11.5cm
スキーの滑走スピードによって発生する遠心力に対して重心をどこに位置して対応するか、ということは後から考えることにする。
ここで言いたいのは、足元の高低差を感じているだろうか?ということである。
例えば、指導員検定種目であるプルークボーゲンを滑る時に、ターンの入り口からフォールラインへ向くまでの4分の1回転で、足元の位置が3.5cm下がっているという感覚、そしてフォールラインに向いた所からターンの後半までの4分の1回転で、さらに足元が3.5cm下がっているという感覚、そんな感覚を持って斜面を移動しているだろうか?
(さらに、ターンでは直線運動ではなく曲線移動なので、落下する分量はフォールラインに絡んでいる時が分量が多くなる。)
急斜面であっても、ターンの入り口からいきなりターンの後半が現れることはなく、4分の1回転で10cm位足元が下がり、さらに4分の1回転で10cm位下がるのである。
オフトレでスキーのイメージを作っている時の殆どは平地でリハーサルをしているのではないだろうか?
平地の上でターンをイメージして滑走スピードに対応する重心位置の移動をイメージしても、その基盤となる外足の高さが変わっていないことに気付かなければならない。
2008年にSAJ教育本部が編集した「スキー検定受検者のために」のDVDを見てほしい。
種目により斜度が違い、スピードが違う。しかし、外足の足裏から肩までの距離は変わらない。
斜度変化に適切に重心移動ができている結果の表れだと考えている。
雪国に住む子どもたちに楽しいスキーを経験してもらいたい・・・。
学校体育ではないスポーツを楽しんでもらいたい・・・。
そんな事を友人(教育部ブロック技術員)と話して、少しづつジュニアスキー教室を進めてきました。
その友人の頑張りで、9月28日に日本トップリーグ連携機構 http://www.japantopleague.jp/ 主催の行事である、
2008 ボールゲーム フェスタ in 新潟 http://www.trymu.com/imaji/2008bdf.pdf が地元地域スポーツクラブで開催されることになりました。
子どもたちが参加できるプログラムは既に定員に達したそうですが、基調講演やプログラム見学には少し余裕があるそうです。
基調講演は、
若杉透氏(新潟医療福祉大学教授、アルビレックス新潟社外取締役)の「こどもの発育と発達・栄養学 」〜 世界のジュニア育成現場を見て〜
中村和彦氏(山梨大学准教授、NHK教育テレビ番組「からだであそぼ」監修)の「ジュニア期におけるスポーツの役割について」 〜現代のこどもの心と体の問題 〜
SAJ C級コーチ養成講習会とリンクする内容になるかと思います。
お近くの方、興味ある方は是非事務局にお問い合わせを。
この行事の流れで次のシーズンは、学校スキー教室の予定が増えるみたいです。
スキーをする子どもたちも、夏場に違うスポーツで育むことができたら、冬はゲレンデに帰ってくるものと思います。
スポーツを通じて、できないことができるようになったり、友達と競いあうことで自他ともに愛することを体感して成長してもらいたいな、と思います。
子育てが終わった方、自分の子どもがいない方であっても、地球の子どもたちを育てることが大人たちの課題のように思います。
今回はスキーの指導者向けのお話です。
速いパラレルターンで気が付かない事は、ゆっくり滑るに限ります。
指導者検定でのプルークボーゲンやプルークターンあたりの話になります。
外スキーを外側に動かすことで角付けが生まれ、ターンをするための土台ができます。
そして足を外側に動かすことで、重心位置は下がることになります。
この2つの動きに惑わされることなく、重心位置をどこに配置させるか、ということを、意思を持って制御していますか?
昨年度の指導者養成講習会で、受講者の方と一緒にトライしてみました。スキーをはずして平地で。
【写真(1)】の開脚の場所から、【写真(2)】のように重心の位置を真っ直ぐ下に降ろし、「片プルーク」になるように片足を外側に動かしてみます。
うまく真っ直ぐ重心を落とすことができると、支えている足の「足首・膝・股関節・肩」が一直線に並びます。
【写真(3)】では、外側に動かす足の動きに引きずられて、上体も外側に動いていきます。
男性に多く見られた姿勢です。
カービングスキーが登場する前の時代に「オーソドックスなプルークボーゲン」や「オーソドックスなシュテムターン」と言われたポジションに当たります。
【写真(4)】では、重心を下げる動きをした時に、「膝を内側に動かしてしまう」例になります。
女性に多く見られた姿勢です。
足を曲げた時に膝が内側に動くのは、「本人のクセ」または「ブーツのセッティング不良」と思われます。
また、軸線に頭の位置を合わせるようにすると、同様なバランスになってしまいます。
何事も意思を持ってコントロールすることが大切です。
平地でうまくできるようになったら、緩斜面で直滑降(直進)をしながら、片プルークのバランスを確認してみます。
この週末2日間が後半の日程となりました。会場は今回もナショナルトレーニングセンター。今回はトレーニング実技も行われました。
チルドレン・ジュニアの年代層に対するスポーツ指導については、サッカーS級コーチの若杉さんからサッカーの実例として新潟の状況やドイツでの遠征合宿の様子など、数年前より数回講習を受けていたこともあり、私の場合は今回のSAJ講習会の内容はスムースに理解することができました。
しかし、その事前体験が無かったとしたら、初めて聞く立場であったら、4日間では足りなかったかもしれない。
講習全体は成長過程にある子どもたちの【心・技・体】に関する専門家によるレクチャーなので、内容は奥が深く、用意されていた時間では足りないと感じた次第。特に【体:栄養とトレーニング】に関する内容は、倍の時間をかけてじっくりお話を聞きたかったと思っています。
【体:栄養】に関する興味は尽きず、国立スポーツ科学センター(JISS)7階のレストランの利用を前回に予約していました。【体:栄養】の実技トレーニングを2日間自主的に実践した次第です。(撮影禁止のため画像はありません。)
食事は「ごはん、味噌汁、おかず」の方が多いかもしれません。これに「果物と牛乳」をプラスすると良いようです。このバランスの良い食事を3食摂ることが、アスリート(スポーツ選手)には必要で、「食事もトレーニング」と言われているほどです私も今月より朝晩の食事に牛乳が追加されました(アスリートではないですけど・・・)。
成長期の子どもの場合は、特に栄養は大切で、将来につながる体作りは、スポーツを続けるモティベーションにもなるでしょう。JISSのレストランから「日本のトップアスリートに向けたJISSのレストランと栄養サポート」という51頁の冊子をいただいてきました。
そう考えると、アスリートを育てあげるのは、コーチではなくて、【お母さん】だとも思うのです。JISSのホームページでは「わいわいレシピ」というコラムでアスリート向けのレシピが公開されていますので、【お母さん】にも是非見てもらいたいと思います。
今回新たに創設されたコーチ制度ではありますが、トップダウンによる知識の啓蒙はもちろんのこと、スキーだけではなく、スポーツ種目を超えたコーチの横のつながりが必要だと感じています。子どもたちは色々な動作を体験することが動ける体の土台作りになる訳だから、色々意見交換ができるスポーツ種目を超えた大人の集まりがあるといいな。
それには、「勝つためのスポーツ」ではなく「楽しむスポーツ」を子どもたちに感じてもらわなければ。
先週末に参加したコーチ養成講習会。トレーニング実技も行われました。
トレーニングの講義を受け、いざ実技を開始する時に講師から発せられた指示、【シャツをズボンの中にいれましょう】と。
確かに、トレーニングは自分のために行うのであるが、仲間やコーチに見てもらい、指示通りできているか、正しい動きが継続してできているか、など、その成果を確認してもらう時間でもある。
そのためには、自分の姿を良く見てもらう必要があり、シャツがアウトズボンよりは、インズボンである方が視認しやすいに決まっている。
二人以上でトレーニングする時は、ぜひ実行を。
言われてから気が付くのでは、まだまだ考えが甘いな、自分・・・。
佐藤久哉デモのコーチ養成講習会のレポートにも記載されていた「短期記憶と長期記憶」について。
ブロック練習(半日単位)とランダム練習(1本毎)
人間の脳は忘れると思い出すの繰り返し。半日単位の練習(同じ内容を繰り返す練習)では、短期記憶の領域にうまく働きかけられるが、短期記憶でうまく処理しすぎると、長期記憶へ昇華されにくい。
ランダム練習は例えばSLとGSの練習を1本毎に行うというもの。装備の違いなどから現実的ではないが、こちらの方が長期記憶の定着率が高いというのだ。なんとか取り入れたい練習方法である。
この話を聞いていて思い描いたのは「Ski Racing is FUN」のDVDで紹介されていたトレーニング。
下記に紹介します。
図のようにネトロンなどのショートポールを3本づつ立てます。もちろん2つだけでなく沢山立てます。
そこを、(1)→(1)とか、(1)→(2)とか、(1)→(3)とか、1本づつ指示を変えます。
どのリズムもうまくできるようになったら、(ショートポール)→(ショートポール)→(ロングポール)など、ロングポールを加えても、今までと変わらない内容ですすめます。
ランダム練習の注意事項としては、新しい技術を習得している段階など、習い始めの段階では効果がないということだ。
子供たちにこのようなプログラムを提供できるオーストリアはスキー大国で居続ける訳です。日本も今回のコーチ制度の普及で各地域でコーチの創意工夫が生まれると、世界で戦える選手がごろごろ出てくるはずだ。
勝てる選手が10人になると、JAPANチームもすごいことになっていく。
安定したバランスを保ち滑走するためには、腹筋・背筋と呼ばれている表面に近い所の筋肉だけでなく、コア(体幹)と呼ばれるインナーユニットの筋肉が重要となってくる。
インナーユニットとしては、多裂筋、腰方形筋、腹横筋、内腹斜筋を指すそうだ。
トレーニング実技講習会では、ドローイン・エクササイズを体験し、腹横筋で体幹を締める感覚を学んだ。
具体的には、仰向けに寝そべり膝を90度に保ち力を抜く。腹式呼吸から息を出し切り、お腹が最大限にへこんだところで、お腹をそのままにして胸式呼吸に移る。腰骨の一番出っ張っている部分から5cm位内側を指で軽く押してみると、少し固くなっている感じがするはずだ。
その体勢で咳き込むと反応する筋肉、笑ってもこの筋肉が固く反応することに驚いた。笑いすぎてお腹がよじれるとは、この筋肉が動きすぎて疲れた感覚であることがわかった。
お医者さんが老人に「お笑い」を推奨しているのもインナーユニットに働きかけて腹圧を高める効果を期待しているからだろう。
このコアを意識しながら足を動かすトレーニングとか、腕を動かすトレーニングをデザインしていく。基本エクササイズから専門的エクササイズに移行する際に体幹の重要性を意識付けさせるこのインテグレーション・トレーニングを経由し、コアの意識を高めていくことが推奨されている。
スキーは全身を使うスポーツなので、部分的に筋肉を鍛えることと同様に、全身の筋肉のコーディネーションが重要となる。
これらのトレーニングは、技術的な向上が目的ではあるが、滑走中に体が遅れて腰が落ち→膝が90度になる位にキープされた時に、膝の靭帯が一番切れやすいのだから、怪我を予防する上でもとても重要なトレーニングに位置されてくる。
オフシーズンに継続して行うこれらのトレーニングは、単調になったり、目的意識が薄くなってくるかもしれないが、目的意識をしっかりと持ち取り組んでほしい。
世界を目指す子供たちも、指導者を目指す大人たちも。
日本トップリーグ連携機構が主催する行事が近所の体育施設で開催されたので見学してきた。
その1:水分補給セミナー(大塚製薬株式会社)、サッカーの中村俊輔さんのインタビューで構成されるDVDで水分補給の正しい取り方を学んだ。
その2:3D動体視力トレーニング体験(オリンパスビジュアルコミュニケーションズ株式会社)、次々に登場する映像は見えていて頭では認識しているものの、パソコンに繋がれたスティック操作の指令がうまくできなかった。(ハードディスクへのアクセスランプはひっきりなしに点滅しているのに、なかなか表示できないパソコンのよう。)
見学のメインイベントとしては、「スポーツ講演会」。ボール実技参加児童の保護者の方に混じり、参加させていただいた。午前中は「こどもの発育発達と栄養学 発育発達と一貫指導 環境は大人が整備する」(若杉透さん:新潟医療福祉大学教授、アルビレックス新潟社外取締役)
内容は先日受講したSAJ C級コーチ養成講習会で学んだことの総復習である。印象に残ったことは、小学生までは単一種目ではダメ、あらゆる刺激を与え、あらゆるスキルを獲得する時期であるということ。スキーもそう、単一種目だけでは成長できないのだ。
この時期のウエイトトレーニングは筋肉や骨が未発達なので避けるようにする、年齢や成長具合をみてから実施、というのが前回の講習会からもセオリーであると聞いていた。しかし、世界ではそうでないようです。
負荷が軽ければ良しとしてやらせるそうです。バーだけとか、さらに軽いものではコーンバーなどを使って。小さい時からやり方の正しい方法を伝え、神経系統を鍛えるのだ。そして成長に合わせて負荷を増やすことができ、トレーニング効果を早く手に入れることができるようだ。ダメだと言われたからしないのではなく、ポジティブに考えていかなければならないと感じた。
栄養面に関しては、6〜8歳でエネルギー所要量が1,900Kカロリー、30〜40歳で座りがちな不活発の男性だと1,950Kカロリーということなので、ほとんど差がない。U-8でもお父さんよりたくさん食べて良いとのお話でした。アスリートの子どもは普通の量の倍は食べるのが目安。特にトレーニング直後の食事について、まだ血流量が多い時間帯に「炭水化物+糖質(ex おにぎり2個と牛乳500mL)」を。家に帰ってからの夕食では遅すぎるのだ。参考までに前回の養成講習会で教えていただいたのですが、冬場だと「肉まん」も良いそうです。
環境を整えてるのは大人、そして、(スポーツの種目をするのではなく)運動することが楽しいと感じるようにしむける、ほめてあげる。楽しいと思うから続けるのですね。
これらの理論を15年前に知っていたかった・・・。我が家ではゴールデンエイジを過ぎて数年が経過しているので、実践できないのが悔やまれます。
午後の講演会は後ほど。
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昨日の講演会で山梨大学の中村和彦さんからのお話を聞いて、かなりショックを受けている。
それは運動能力の低下である。
大学生になってもボール投げが幼稚園児なみのコーディネーションしかできない人が増えていること、
転びそうになって手をつけなくて顔面を打ってしまい、顔・頭への外傷の増加、
飛んできたボールを避けることができず、目をつぶって防御することもできずに、眼球損傷してしまうこども、
階段を2段分飛び降りて両足を骨折してしまうこども・・・
文部科学省が1965年から取りつづけているデータから見ると、1985年に運動能力の低下が始まってから歯止めがかかっていなくて、現在も続いているとのこと。
1983年に発売となったファミリーコンピューター(ゲーム機)の普及と一致すると私は思う。
また、1日の歩数を見ると、都会に住んでいるこどもの方が多く、地方に住んでいるこどもの方が少ないとのこと。
地方でも、中核都市のベッドタウンとなる郊外の都市部では、通学にスクールバスを使い、少子化なので自宅前に停車できたりしている。
塾に通うのも家の人が車で送迎することになる。
学校の授業で動いているだろうと思ったら、今の小学生は体育が週に2時間、機械体操などになると順番待ちなどがあり、45分間の授業のうち、運動しているのは8分間だという統計もあるそうだ。
週に16分しか運動できていない現実。
しかも、これは、「日本だけ」のようだ。
ユネスコが20か国を対象に長年調査している統計の中に、「活動的な身体運動」というものがある。
11歳(小学校5・6年生)を対象に、120拍/分となる運動を1日30分以上する日が週2日以上あるこどもの割合、という統計である。
数年前の数値だが、
1位:オーストリア 男子89% / 女子83%
2位:ドイツ 男子83% / 女子74%
3位:アメリカ 男子74% / 女子65%
4位:フランス 男子80% / 女子54%
20位:日本 男子37% / 女子27%
週2日以上ということなので、2日〜7日という範囲である。
日本は10年前では16位、15年前では6位であったのに。
次の統計ではオーストラリアが上位に出てくるだろうと言われている。今、オーストラリアは国を挙げて「アクティブ・アフター・スクール」というプログラムを作り出し、全国展開しているそうだ。色々な種目の国際大会でも成績を出しいるのを耳にするようになった。テーマは「おもしろいと感じながら身体を動かすには、どうしたら良いか?」である。学校体育と地域スポーツが手を組み、おもしろいコンテンツを用意することで、毎日参加する子どもができているそうだ。
このプログラムを南アフリカは1億円で購入したそうだ。オーストラリアからコーチを招聘し、国を挙げて取り組んでいる。新しく独自に考え出したりする「手間と時間」を計算すると、購入した方が安く、しかも望む姿に早く到達できるという結論に達しての行動であるとのこと。危機感に対応する行動が早い国であると思う。
さて、日本の将来は・・・。(つづく)
講演会で山梨大学の中村和彦さんのお話を聞いての続きです。
こどもたちの運動能力の低下について、運動をしているこどもたちの中で二極化が見られること。
色々な運動を沢山行っているこどもと、単一スポーツしかしていないこどもに分類できてしまうこと。
原因の一つに、街角からこどもたちが消えていること、伝承的な遊びが姿を消したことが挙げられる。
毎日同じことだと飽きるから、創意工夫で作り出した遊びに没頭したり、お兄さんお姉さんの見本を見たり、真似したり。
何か世界遺産が壊されたようなことに匹敵すると思う。
今、こどもたちが見つけるべき36の動きが提唱されている。
(参考 NHK からだであそぼ http://www.nhk.or.jp/kids/program/karada.html )
2009年の4月から小学生の体育の授業内容が変わるそうだ。「小1、小2にはスポーツをさせない」という方針、「動きあそび」を行うそうだ。
放課後の街角を再現してもらいたいと思う。
ここで「スポーツ」という言葉の語源を考えることも必要である。(今月2回も同じことを聞きました。)「sport」は「s」と「port」に分けられ、「port=港=日常」、「sはdis=そうではない」というのが語源で、「日常から離れて楽しむ」ということになる。
諸外国では「身体を動かして楽しむ」「スポーツを楽しむ」=「楽しいから続ける」が成立しているのに、日本では「スポーツ=楽しい」になっているだろうか?
その「楽しい」の一つに、「できる喜び」というのがあると思う。「できる」ためには、自身の内面で「できない」と「できる」の差を感じることに尽きるという。約30年前に出会った「インナースキー」という本の内容と同じであった。
例えば、ボール投げの動作の習熟は4段階あるそうだ。
1)足は動かず、上体を投げる方向に向いたまま、腕だけでボールを放る。
2)足はまだ動かず、上体を捻ることができ、腕のスピードが上がり、少し遠くへ投げることができるようになる。
3)次に、投げる手と同じ側の足が前に出るようになる。
4)片足でのバランスがうまくとれるようになると、投げる手と反対側の足を前に出すことができ、全身の動作が協調して、ボールをさらに遠くへ投げることができるようになる。
特に3)の段階が重要だということ。これを経験できないと、4)の段階へすすめないのだ。
そこで、親や指導者は「動きを教えてしまう」。
動きを教えるのは日本だけとのこと。
「身体をひねろ、足を出せ」 → 「こどもに考えることをさせない」 ということになる。
「失敗する、工夫する、自分で決める」がなくなる。探究心がなくなるのだ。
そんな指導者や保護者であると、
「大人のスポーツ文化の即導入」
↓
「単一スポーツ種目のみの活動」
↓
勝利至上主義・精神主義
↓
長時間にわたる練習、試合数の増大
となってしまい、【日本のスポーツに子どもの姿が見えない】と言われ,、世界から笑われているのだ。
そこから、「楽しくない」 → 「いやな人に合いたくない」 という側面が生まれ、スポーツから離れてしまう道もできてしまう。
神経系が大人に近いくらいに発達する10歳までの時期に、あらゆる動作を経験させないと、その子の一生の健康まで影響が出てくることを大人は正しく認識しなければならない。
今まで知らないでいたことが恥ずかしい。
子どもたちは色々な運動をし、冬にはスキーもする。
スキーの指導者・コーチ(大人)は、単純に世界を目指す縦のラインを意識するだけでなく、学校の先生や地域のスポーツ指導員との横のつながりを図りながら、ドイツのクラブハウスの例のように、スキーをするであろうと思われる子どもたちにどんどん近づいていき、年中活動していかないと、スキーをする子どもがいなくなってしまう時代が、そこまで来ているように思う。