子どもの頃から「小回りターン」が苦手だった。準指導員検定でもこの種目は「70.0」でギリギリ合格だった。
(昔はおおらかで、合格・不合格ともクラブあてに点数資料が送られてきていた。)
準指導員検定に合格した初夏に月山へ行った。小熊恵一デモと一緒に滑った時に、ジャンプターンによる小回りをトレーニングした。「スキー全体を雪面から離して」「トップを上げて」「テールを上げて」。
全然できなかった。
山を降りてきてから、「なぜできないんだろう」「どうやったらできるのだろう」というのを考えた。
当時のスキー教程に書かれていた「指導の原則」という項目に、「やさしいものから難しいものへ」というのがありました。
今の自分にとって、「できないこと」=「難しいもの」。
では、「やさしいもの」ってこの場合どういうものだろう・・・。
1)斜面は難しいな → 平地でやってみよう。
2)長い板を付けては難しいな → 板をはずしてやってみよう。
3)スキー靴は重いので動きずらいから難しいな → 運動靴で芝生の上でやってみよう。
つま先の前に横線をイメージしてみます。
ジャンプして空中で向きを変え、着地します。
腰の向きをそのままにして、股関節より脚を捻る感覚です。
着地したら、足の向きを確認してみましょう。
ターンの内足となる方のつま先が思ったより捻る量が足りなかったり、ターンの外足となる方のつま先が思ったよりも捻りすぎていたり・・・。
自分の思いと着地の結果がズレているなら、板を付けていたら、トップ側が重なったり、テール側が重なったりしてしまいます。「左右の足の向きを同じ方向にする」ことが目標です。
焦らず、じっくりと観察してみましょう。
また、方向は良くても、両足を結んだ線が最初に設定した線とズレてしまったら、
腰の向きも一緒に変わっています。ウエスト部分から捻られている感覚です。
これを良しとするか、悪しとするかは、色々な考えがあると思いますが、
トレーニングで大切なのは、
自分の思い通りに自分の体を動かすことができるか、
その運動量を思い通りに調整できているか、
ということになると思います。どちらも思い通りにできたら結構です。
トレーニングの様子を正面からビデオカメラで撮影し、早送り再生で見てみましょう。
上手に動けている人は、腰から上が安定して左右にブレません。映像の上体のブレ具合はバランスのブレと考えましょう。
同じポイントにうまく着地できるようになったら、着地する場所を少し前方に取り、前進してみます。
どんどん前進していくと、斜面を下る感覚に近くなります。
今の時期に時間をかけて、ジックリ納得するまでトレーニングしたら、雪上で理想的な動きが3回目でできているはずです・・・。(イラストがブレているのはご容赦願います。うまくできるようになったら、当時はこれにストックワークのトレーニングも加えていました。)
質を上げるという作業の出発点には、このようなことも必要なのではないだろうか・・・。