八木橋拓史さんのブログにて、足首の柔軟について述べられていた。
まったく同感である。前脛骨筋は全身のバランスの根幹を一手に引き受けているのではないだろうか。
前脛骨筋を鍛えるメソッドを一つご紹介。
同じクラブの先輩の小野塚喜保さんがデモを目指して石打後楽園スキー学校に在籍されていた頃にトレーニングに加えられてしまった過酷なメニュー。リフト乗車中にダラリと脱力して乗車するのではなく、
(1)爪先からスキーの先端を上に持ち上げる。
(2)リフトの支柱の滑車の位置に来たら脱力する。
(3)リフトの支柱の滑車の位置が過ぎたら、また、爪先からスキーの先端を上に持ち上げる。
リフト乗車中もレーニングする時間に指定されてしまった。それも低速のシングルリフトで。
これは、前脛骨筋を活性化する。いや、もうパンパンになってしまうのだ。
しかし、1シーズンも続けると、前脛骨筋はみごとに成長する。そしてバランス能力が向上するのである。
上達するために必要なことを貪欲に取り入れていた20代前半の頃。限られた時間内に最大の結果を求めるのであれば、工夫していくことは当たり前だ。これと同様なことは、トレーニングルームのバーベルを足で持ち上げるトレーニングでも可能であるが、雪上で行う方がきつく感じるのは私だけだろうか。
さて、前脛骨筋を鍛えることは賛成であるが、滑走中に低いポジションで滑るのは賛成できない。
低いポジションを取ると、ターン外足を曲げ過ぎて=足首を曲げ過ぎて=スキーの前方に力点が移動してしまい、ズレるのだ。そして雪煙が上がる。そう、【減速】が待っているのだ。
また、ポジションが低いベンディングターンでは、リカバリーで使えるが加速は生まれないと思う。
スキーよりも先に体が落下してしまうと、位置エネルギーが使えないのだ。
2000年前後のワールドカップを解説している本などを図書館で見ていると、多くの選手がターンの後半に雪煙を上げている写真が多いことに気付く。また、足首を曲げて果敢な滑りだ、という解説もあったりする。
私は、スキーに対して垂直な方向から重みを与えることを心がけていきたい。