パラレルターンの運動構造に見られる要素。パラレルターンは、舵取りの時間と切替の時間に分類される。
ハイビジョンカメラで撮影した動画を静止画モードで確認する。どのシーンも静止画で確認できるので、ありがたい。
アナログのビデオカメラや一般のデジタルビデオカメラでも静止画を確認できるが、シーンを選択する自由さと鮮明度を持ち合わせていない。MPEG-4のファイルをパソコンで再生するに限る。これが、経営不振と報道されているSANYOから発売されている商品であるのには驚く。この性能が評判を呼んでいないのは、PR不足であろう。何ともったいない話だ。
さて、切替の時間に的を絞って見てみると、肉眼では発見できなかった筋肉の動きまで見て取れる。
スキーの講習会は指導者が一方的に伝達・説明するスタイルを貫いているようだが、もう無理だ。
どんな言葉で説明されるより、コマ送りで見た画像がどう変化しているのかを見た方がはるかに理解が深まる。
「百聞は一見にしかず」だ。
切替とは、角付けを切り替える時間と言える。
外スキーが入れ替わる時間でもあるが、最近の【速いパラレルターン】を見ていると、外スキーにも内スキーにも荷重がかかり、極力抜重しないことが減速を防いでくれる。だから荷重の交換という表現は的を得ていない。
目的は角付けを切り替えることにあるのだが、クラウンプライズを受検する方や準指導員検定を受検する方の動きをコマ送りで見ていると、切替の時間だけ筋肉(足首)を緩めてしまっている人が多いのに気付く。
きっと、緩中斜面の滑走時間が多く、無意識のうちに「荷重〜抜重」の動作を行っているものと思われる。
筋肉を緩めてしまっては、スキーをコントロールすることができないので、角付けを緩めようと思っていても角付けはキープされたままだ。だから対応が後手後手になってしまい、悪循環になるのだ。また、無意識のうちに緩んだ筋肉の動きをリカバリーしようとして、次のシーンでは足首の曲げ度合いがきつくなってしまうようだ。曲げすぎる足首はスキーの滑走性を止める動きにつながってしまう。
【処方箋としては】
直滑降で確認する滑走ポジション、つまり、脛の傾きと上体の傾きが平行になっていて、ブーツ近辺に体の重みを伝えるポジションを確認する。このポジションをキープして切替動作を行うのだ。
「ターンポジションを崩さずに切り替えるから、切替直後にターンポジションが成立しているのだ。」
私はそう思う。