さて、前回提示した図の再登場です。
緑色はスキーヤーを示しています。
【オレンジ色の板のスキーヤー】は落下を優先しています。
私はこうありたいと思います。
【青い板のスキーヤー】はターン(回ること)を優先しています。
体は進行方向を向いてしまいます。
また、【内スキーを外スキーと同様に機能】させていないと、内スキーを支点に外スキーがその回りを移動してしまいます。すると外スキーが前に出てくる姿になります。
準指導員を受検される方とプルークボーゲンを練習していますと、この症状が出てきます。プルークで滑る中で外スキーの滑走性を高めようとした時に出てきます。
2006年の私の滑り映像でターンの切り替えシーンを分析してみますと、前に出てしまった外スキーが体を谷へ落とすことを邪魔しています。
角付けをゆるめられないでいます。角付けが保持され膝が山側に押し付けられた中で体を谷へ落とそうしますから、膝への負担は相当なものです。
だから、体が移動できたとしても、外スキー(次の内スキー)の上、重力に垂直な位置までくらいしか移動できず、それ以降の対応が後手後手になってしまいます。
できたらこのシーンでは、斜面に垂直になる場所まで移動できて、次の内スキーも次の外スキーと同様に機能させたいところです。
2本のスキーの位置関係が体の位置や向きとセットになって影響しあっていることを図に表現してみたのです。
このような症状に陥っている方への最優先課題は、2本のスキーの位置関係、特に前後差をイメージすることにあります。
それが土台となって全てがうまくいく方向に働くはずです。
内スキーが外スキーと同様に機能するには、角付けの角度がそろうだけではなく、内スキーにも荷重があり、滑走性があることが必要です。それが足りない人にとっては、【内足を少し前に(ブーツソールの半分くらいの長さ分)出すくらいの動作】をしてあげると、荷重と滑走性が増してくることを感じてきます。
(落下をうまく使えているレーサーは2本のスキーをうまく操れているので、この感覚は無いものと思います。)