2007.9.15の図が再々登場です。図1は一つのパーツをコピーして左右スキーに見立てて配置しましたので、左右同一の図になっています。
どうも皆さん、スキーヤーの運動ぶりからスキーを考えているようですが、スキーヤーの運動ぶりを考える前にスキー自体の移動を考えてみましょう。
だって、滑っているのはスキーなのですから。
(スキーヤーが滑るのは転倒した時です。)
俯瞰図を見ていただいて、2本のスキーが、どのように移動した時にスムースに滑るのか、ということです。
私は、左右のスキーが同距離を滑る時に、一番スムースで速いと思うのです。
同距離を滑るには、右スキーと左スキーの回転半径の中心点は一致しないはずです。
回転に入る所で左右のスキーの先端を結んだ線は谷を向いていて、回転が終わる所でもその線は谷を向いているはず。
内向でも外向でもなく、「谷向き」と言っている所以はここから来ています。
もちろん、スピードと、要求される回転弧の深さにより、変化をする応用が必要になってくることは言うまでもありません。
それに対し、左右のスキーの回転半径の中心を一つに重ねてみましょう。(図2)
明らかに外スキーの滑る距離が長くなります。
この場合は、外スキーを基準にすると、内スキーにブレーキがかかってしまいます。
明らかに減速してしまいますね。また、スキーヤーが回転の内側に居続けることになりますから、減速が助長されます。谷へ落ちていかないのですから。
そういう滑りをした時のスキーヤーの感覚としては、内スキーの場所を基準に考えてしまい、外スキーが前に出てくると感じることと思います。
だから、内スキーを前に前に滑らせていく気がないと、左右のスキーは同距離を滑ってくれないはずです。(これはスキーヤーの感覚として)
また、見ている人と滑っている人の目線も違いますので、スキーヤーの運動ぶりは別に考えた方がいいのかもしれません。
まあ、スキーの滑走を楽しむにはどちらでも良いのですが、速いスキーを目指すには減速要素を極力排除したいと考えています。
それにしても、「内足を前に」という表現に納得できない違和感がある人が多いことがわかりました。