ポジションとは、スキーの場合、スキーへの立ち方を示す時に使う用語である。
レジャースキーヤーが、緩中斜面をクルージングしている時に「楽だな」と感じるポジションと、スピードを求めるスキーヤーが、中急斜面を滑走している時に「楽しいな」と感じるポジションは、違うと思う。
日本でアルペンスキーを考える場合、前者を教育本部が、後者を競技本部が担当しているように思えてならない。
スピードを求めて、スポーツとしてスキーを楽しむためには、「楽ではない」かもしれない事が必要になってくる。また、中急斜面をクルージングするために必要なポジションを考えていくと、筋力負荷を少なくした、理に適ったポジションを見つけることができるかもしれない。
基本ポジションとして、足首・膝・股関節が曲がった状態を誰もが推奨する。
一般的に「中間ポジション」と呼ばれていることと思う。
色々なスキーヤーの話を聞くと、「中間ポジションとは、高いと低いの中間だ。」と表現される方が多いと感じる。
「中間」という言葉がよくないかもしれない。
図を見てもらいたい。
(1)も(3)も上体の前傾が解けたもの。
(2)の状態を基本としていきたい。
また、(3)のポジションは膝の靭帯が一番伸びる位置になり、損傷または断裂が懸念される。スピードを楽しむスキーヤーにあっては、腹部を中心としたインナーマッスルにも注目してみよう。
という訳で、2009年シーズンから私は(2)の状態を「高いポジション」と自分に言い聞かせている。
上体の前傾が解けないように、それ以上高くならないようにとの「おまじない」だ。
斜面を降るためには、この「上体の前傾」が解けないようにしていきたい。
上体の前傾がキープされていると、股関節が球運動することをフリーにしてくれる。
これって、トップページに記載しているハンネスシュナイダーが1930年に言っている言葉と同じようですね。
追記(2009.6.14)
SAJ B級コーチ養成講習会を受講しましたら、このポジションは「パワーポジション」と呼んでいることがわかりました。
アスレチックトレーナーの講師に質問しましたら、トレーニング界では「パワーポジション」という用語は一般的に使われている共通用語ということです。
参考:(「SAJ B級コーチ養成テキスト」より)
【パワーポジションとは】
股関節が重心より後で、肩が重心の前、両足(足裏全体を地面に付ける)で均等にバランスを取る。骨盤を前傾させ背中を真直ぐに保ち、前後左右上下どの方向にも素早く動き出せる姿勢である。
(注)パワーポジションは、競技によってその高さが変わる。