坂を降ること、右ターンの次に左ターンをするのが、アルペンスキーだ。
この環境下での身体運動の対応幅を広げるために、スキーブーツは前傾角約20度位で作られている。
陸上での運動では90度で直立できるポジションがあり、そこから運動によって変化するのであるが、スキーヤーはまず足首を約20度にキープしながら運動することになる。
昔のスキーブーツは革で作られていた。だから足首を90度に近い状態にして直立できた。スキーの運動をするには約20度位をキープしたいので、 「足首を曲げろ(伸ばしすぎないでキープしろ)」という指導が存在していた。
1970年代に素材はプラスチックに変わったが、「足首を曲げろ」という指導は、2000年近くまで続いていたように感じる。
モーションシーケンスという考え方があるようだ。
どこから動き始めるかということである。
足首から動き始めると、上体の前傾が解かれ、上体が前方に移動させられるケースが生まれることがある。(図1)
すると、股関節の球運動を上体の重みで押さえ込むような力が働いてしまう。爪先側に荷重を集めてしまい、踵が軽くなった時も、同様な力が働いてしまうことだろう。
足首の角度を固定していた方が、股関節の動きを誘導しやすいはずだ。(図2)
オフトレでも足首に注目した方がよいかもしれない。
スキー動作をイメージして動くスクワットをする時など、足首も曲げて全身運動をしてしまうと、ブーツを履いた時にはブーツが前に曲がったら、必ず 元に戻ろうとブーツが動くので、脛が起こされる力が働くことになる。(図3)
つまり、足首を曲げる動きが、反作用として「後傾」を養成していくことになりかねない。
レジャースキーヤーがゆっくりなスピードで「楽に」滑るには、ブーツが柔らかく前傾方向に動きやすい方が良いかもしれない。
スピードを楽しむスキーヤーはどうだろうか。
スピードを楽しむスキーヤーが柔らかいブーツを選択する理由は何だろうか?
私は足首を曲げすぎたくないので、160(WORLD CUP SOFT)を使っている。
(ただし、数値はメーカー毎に設定しているはずで、構造によって固さの体感が違います。体重によって選ぶのが基本か。)
足を短くして使う時も、長くして使う時も、足裏方向に力を使いながら、何かをしていきたいと思う。(図4)
上体の前傾角をキープして、足首の角度を一定に保てば、股関節の運動が主体になってくると思うのです。
日本相撲協会に入門し、股割りをしよう!