斜面でのトレーニングを振り返って見ると、現地で気付いたことがありました。
その一つは、靴の選択です。
普通に平地でランニングするシューズだと、足底の左右方向への強度が少なくグラグラして、斜面を駆け降りる時に足首が安定しません。
トレーニングなのに、足首を負傷してしまうリスクを感じました。
「トレイルラン」用のシューズが良いようです。
もう一つは、斜面の中でパワーポジションが出来るか?という課題です。
例えば、谷足片足で、連続ジャンプをしながら、少しづつ斜面下へ移動してみたり、斜面を山回りで駆けてみたり。
「足首のグラグラ感」だったり、「膝を適切な位置に配置するための筋出力に課題があったり」を内在していると、負荷の低い状況では問題無いものの、負荷が高くなると、バランスの悪さを露呈することになる。
バランスの悪い人(私を含めて)を観察してみると、ある共通点があることに気付いた。
バランスを成立するために、足裏(規定面)を貫通する重心位置に「股関節の位置を合わせることでバランスを成立させる」という現象だ。
パワーポジションでの重心と股関節の位置は、「股関節が重心よりも後」である。
(参考:パワーポジションの考察(パワーポジションとは)2009.5.4)
飯島さんの説明では「脚が捻られた状況で股関節の位置を山側(ターンの内側)に位置させては、体がローテーションしてしまい、スキーのテールがズレてしまう。正しくは「スキーのテール側」に股関節を位置させてみよう。」という表現をされていた。
その通りだと思った。その位置で上半身を捻ることでできる外向・外傾で、負荷に強いバランスを手に入れることができる。
私の場合、上手くいく右足と、上手くいかない左足を比較してみると、負荷がかかった状況では左足に同様の現象が発生していた。
バランスは取れていれば良いというものではなく、斜面で必要なのは、重心位置よりも股関節を後に位置させることが第一で、その状態で「足回りの筋肉を総動員」させてバランスを覚えていく、記憶していくのだ。
どうも、この「体の記憶(斜面への適応技術)」は、斜面の中でないと、育まれないようです。
このバランスの練習を、「雪上に出てから行う」という時間の過ごし方では、もったいないと思いませんか?