ここだけの話 archive
ターンのタイミングを時計に例えたら、スキーが斜面の下に向く頃を3時頃、切り替えしで斜面に垂直に立つ頃を6時頃、その中間の位置を4時半頃だとします。
今回は3時頃から4時半頃のスキーヤーの運動について考察します。
3時頃、スキーヤーの足は自分の体の横にある感覚です。左右の足は高低差がなく、同じ高さにあります。
そして、次の瞬間から、ターンの外足は、どんどん低い位置に移動し、左右の足に高低差が生まれます。こうなると、「外足」という意識よりは「谷足」という意識に移行しています。
つまり、3時頃から4時半頃にかけて、「外足」の足元が、上体よりも先に斜面の下へ落ちていきます。
これが自然だと思うのですが、果たして、足元を下へ落としていくという感覚を持って斜面を下っているでしょうか?
もちろん、直線的には動けません。ターン運動をしていますから、バネのようにらせん状に足元を落とす感覚でしょう。
プールのウォータースライダーを流れる水をイメージしてみてください。ターンの一番膨らんだところを過ぎていく頃には、水には遠心力が働かなくなり、水はコースの中央部へ落ちてきます。
自分の横にあった足元が、自分の腰下へ戻ってくる感覚は、ウォータースライダーの水がコースの中央部へ戻ってくるような感覚だと思うのです。
これを、現在の日本スキー教程では「相対的水平面」という用語で説明しているみたいです。
そして、先に落ちた足元に、上体が追従して落ちていきます。
昨年のグレステングランジャーでトレーニングしていた映像で気になっていた、4時半頃のシーン。グランジャーの転がりにブレが生じていたのですが、やっと原因がはっきりとしました。
3時頃の感覚を持ったまま4時半頃を迎えていたようです。
最近の講習会で受講された方に体験していただいていますが、スキーへの重みの伝達が途切れることなく継続しますので、スキーヤーからは「楽に滑れる」というコメントをいただいております。
LANGE、ROSSIGNOL のブーツのアッパーシェルが360度方向に同じ硬さを持たせる設計に変わったことも、この動きをスムースにさせたいということなんでしょうね。
2012シーズンは新しいブーツを購入しようと思います。候補は、ROSSIGNOL BOOT DEMO 150 ZBを予定しています。