ここだけの話 archive
2011年に指導者検定種目の「横滑りと停止」を演技する時に、私が意識していた演技要領を備忘録として記載してみたい。
ここに記載するのは、あくまでも、私個人の意識であり、このようにしなければならない、というような規制はありませんので、誤解なく読んでいただきたいものです。
横滑り=横ズレを伴う落下、全ての物体は斜面をズレ落ちるのであるから、どんな方法で横滑りを始めても、スキーヤーはバランスを保って移動しているだけなので、横滑りが始まった以降の移動ぶりは差異がない。
違いが出るのは、横滑りで一定に移動するまでの「運動ぶりとのポジションニング」だと思います。
1973年に合格した2級のバッジテストとは、運動ぶりとポジショニングが違うと思います。
こちらは、道具特性によるものの違いと考えています。
オールドスキーヤーの方も、今の道具を使った横滑りを考えていただくと、重みを活用したパラレルターン、筋力に負荷の少ない、骨格を活用したパラレルターンが出来るのではないかと思います。
さて、滑り出す方向に着目すると、
(1)横滑りで移動する斜め下方向に近い、スキーのトップとテールの高低差がしっかりある状態からスタートするもの。
(2)真横方向に近い、スキーのトップとテールの高低差があまりない状態からスタートするもの。
足元の操作も必要ではあるが、体幹部の移動(重心の谷側への移動)と、スキーの谷側への傾き(前後方向を軸に左右への傾き)の連動を表現したい。
スキーの谷側への傾きを表現するには、滑り出す方向を上記(2)を利用すると表現しやすいと思う。
【動作要領】
(1)横方向に近い方向に滑り出し、両脚を軽く伸展する。
(2)伸展されている山側の脚の長さを変えずに、谷側の脚を屈曲し、短くする。屈曲する方法としては、股関節の位置をスキーのテール側に動かすことで、脚を短くしたい。屈曲しながら、山側の大腿骨骨頭を骨盤に押し付けるよう力を使うと、上体は谷側へ傾く。頭の位置が谷足の上にある感覚がチェックポイント。上体が傾くだけで、スキーの滑落はまだ始まらない。
(3)谷側のスキーの滑走面と頭の位置の垂直関係を保つ感覚で、頭の位置をさらに谷側へ傾けると、スキーの傾けが誘発され、谷側スキーの横滑りが始まる。
(4)横滑りを始めた谷側のスキーを追従し、山側のスキーも横滑りを始める。ここまでは、(1)のスタートで向いていた方向に上体が向いている。
(5)両足で横滑りを始めると、進行方向が変化する。上体の向きを横滑りで移動している方向に合わせ、変化させる。
(6)横滑りで移動し続ける。体勢に変化は現れない時間帯。
(7)スキーのテール側を谷側へさらに落下させ、足元を中心にスキーをピボットさせる山回りを行い停止する。
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【解説】
(1)から(4)を丁寧に行いたい。
特に、(2)から(4)を一気に素早く行ってしまうと、体がアクションを起こした瞬間に滑落が始まってしまう。そうすると、上体を動かさずに、足元だけの操作で横滑りをしているように見える。
末端主導(操作)ではなく、体幹主導を表現したい。
以上、2011年の備忘録でした。