ここだけの話 archive
初めてスキーをする時に、必ず体験するのが「階段登行」。
フォールライン(最大傾斜線)に対して、スキーが直角となるよう、スキーを真横に向けて、一歩づつ登っていく運動様式です。
「ずり落ちないようにスキーを傾けて」という指導を受けてきたことでしょう。
話は少しそれるが、90年代に登場した高速クワッドリフトは、搬器が脱着式のため、平地に行列を作ることができるようになった。
それ以前は、搬器が固定式だったこともあり、リフト乗り場は小高く、板張りの傾斜があった。
だから、階段登行ができないと、リフトに乗れないという、ハードルがあった。良いハードルであったと思うのだが、試練を嫌う現代人には受け入れられないことだろう。
さて、現代では、なめらかなパラレルターンをしたいと思う。
レースのように高速度を実現するために、中速度で筋運動に高負荷をかけずに滑るために、課題となるのは、スキーの角を立てるのではなく、立てた角をいかにはずすか、といえるだろう。
階段登行をしながら、水平に立つことで、ずれ落ちないという感覚と、スキーをほんのわずか谷側に傾けて、「ずるずる」とずれ落ちる感覚の差を感じてみよう。
もしかしたら、「-1度」かもしれないし、それ以上か、それ以下かもしれない。
「ずり落ちるようにスキーを傾けて」、という指導が必要なのかもしれません。