ここだけの話 archive
「Ring = Sensor」、月末に感じたストックのリングの感覚。
時計の位置でいうと3時から4時半。
今までは谷側の足が斜面の下にいち早く落ちていくと感じていた。
しかし、その足の落下にストックのリングの落下を同調させると、谷側の足の位置よりも斜面の下にストックのリングが位置していることがわかる。ストックのリングがセンサーになっているような感じ。
高速度のターンになると、3時から4時半にあっては、回り続けることよりも、いかに次のターンを始めて谷側に体幹を移動できるか、がスキーヤーの課題となってくる。
どんどん谷へ滑っていきたいのか、それとも減速したいのか、スキーヤーの意思によるところが大きい。
2月に2回、「スキー指導者養成講習会」にて、スキー指導者指導員検定を受検する方と滑る機会に恵まれた。
A単位の「谷回りの連続」では提示した内容で理解を深めていただけたようでした。
B単位の大回り、小回りの練習の時に、
「ストックを谷へ振り出してみてください。」と提案してみました。
しかし、受講生の方からは、
「ストックは体の横に突くのだから、振り出してはいけないですよね。」
「前回の講師に、ストックは振り出さずに、そのまま横に突いてください、と説明されました。」
という意見をいただきました。
アルペンスキーは、斜面を落下しながら、滑っていく方向を調整するスポーツです。
スキーヤーは斜面を落下していきますから、たとえストックを谷側へ振り出して雪面に触れたたとしても、次のシーンでは足元がさらに谷側に移動していきますから、 その時を迎えると、体の横でストックを突いているように見えるのではないでしょうか?
スラローム競技では、逆手(今はあまり言わないですね)でゲートポールを弾いた次のシーンでは、「その手のストックをしっかり突け」という指導が一般的です。
それは、谷側にストックを振り出すと、ストックの慣性で腕(重さは5〜6kg)が谷側へ移動ることで体幹を谷側へ移動することを補足し、スキーの角付けを緩める操作と、斜面に垂直に立つエリアを自分でコントロールできることにつながる。
速めに動ければ落下慣性を使える(減速要素がない)ことになり、ターン速度を維持できることになります。
人から言われたからと、それをそのまま信じるのですか?
私の人生経験からですと、今まで知らなかった状況で、初めて説明を受けたとき、説明をした方がそれなりに信用おける社会的地位にいる方から聞いたならば、かなり高い確率で、それを信用するようです。 それをベースに、それとは違う説明を聞いた時は、必ず「今まで私が正しいと思ったことと違う」と思うのです。
この瞬間、「最初に聞いたこと」と「2回目に聞いたこと」の2つを比較することを体験するのです。
そして、「どちらが正しいことなのか?」という思考に入るようです。
「どちらが正しいのか?」という相対値を探るのではなく、「何が正しいのか?」という絶対値を探ってほしいと思う。
先週行われたスキー指導者準指導員検定会(東京都)の閉会式での検定員からの講評の中で、 「ターンの後半に、体が山側に止まってしまい、ニュートラルといわれる位置に体をポジショニングできていなかった。」という説明がありました。
ストックを含め、体がフリーズしているような状態になるのだと思う。
ストックを谷側に振り出す動きをしてみませんか?
参考「ストックワーク 3008.8.3」
第49回全日本スキー技術選手権大会のウイニングラン、白馬ジャンプ台ランディングバーンを小回りで滑る丸山貴雄選手の連続写真の一部を、プロカメラマンの鈴木浩さんから見せていただいた。
あきらかに「ストックを振っている」ように見えるのです。