ここだけの話 archive 


(はじめに)
発想は自由であれ!
既成概念=こうやらなければ=誰が決めたの??
「愛と勇気」

2012.4.26 急斜面での高速度ターンの考察


緩斜面や中斜面をゆっくりな速度で滑走している時の運動様式と、急斜面で高速度で、しかも自在に滑走している時の運動様式は、明らかに違うと思う。

高速度を保つためには、スキーに自重がしっかりと伝わった状態をキープすることが必要だ。
別の表現をすと、抜重などでスキーが雪面から浮いてしまったら、そのシーンでの滑走性が損なわれるのは明らかだ。

2012年シーズンを振り返ってみると、一つのキーワードが印象深い。

「身体的ニュートラル」

ターンをしている最中の足は、外足が長く内足が短い対応であるが、
切り替えしの時に、「左右の足を同じ長さにして、斜面に垂直に立つ」
ということであるが、これは、「原則的な谷回りの連続」という、低速度でのお話であることに気づくのに時間がかかった。

中速度で上手に滑ることができても、高速度ではうまくいかないことが多い。

その一つは、「ここ一番!」と思った瞬間にアドレナリンが放出されるのであろう、身体がしなやかに動かなくなってしまう。
そう、フリーズしてしまうのだ。

筋肉をゆるめる対応を身に付けたいものである。
笑顔で滑ったり、ベロを出して滑ったり。その感覚を忘れないようにしたい

さらに、次の一つは、動作の正確性と無駄な動作の排除である。
速度が上がると、単位時間に移動する距離が長くなるので、「ほんのわずかな動作が大きな違い」になってしまうのだ。

急斜面での高速度ターンの考察急斜面を高速度で滑走している切り替えしの時に、重心を谷側へ移動することを優先しすぎると、山側にある次のターンの外スキーへの荷重が軽くなり、雪面から浮いてしまうと、滑走性を損なうことになる。
「外足が軽くならないところまで」というのが重心を谷側へ移動する量と考える

すると、ニュートラルと思う場所で、「斜面に垂直に位置する」よりは、「重力に垂直に位置する」一瞬があり、そこからどうするか、という意識があることで、切り替え直後の外スキーは浮かなくなるようだ。


「上半身の安定」も重要な課題である。

切り替えしの場所から板がフォールラインを向く(時計でいうと3時の)ところまでの斜面の高低差を先取りし、両手の位置の高低差を先行させることも、安定につながるようだ。

さて、「2軸運動感覚」だからといって、「右足と右肩」「左足と左肩」を継続しすぎて出てくる「ストレート内倒」は別物である。
スキー運動中には5つの軸を意識するようになってきた。
その中でも「外足から内肩」のラインの軸を感じると、ターン中の安定に優位である。
その軸を中心として左右の体積が同じになるから安定するものと思う。
身体が安定できたら、高速度を阻害する要素がなくなるから高速度をキープできるのである。

高速度ではスキーの角付けをしっかりとることも重要になってくる。
ブーツと脚のアライメントをしっかりとった上で行う「ニーイン」は、レースに出場する選手では「基本」として取り組んでいることである。
昨年秋に発売された丸山貴雄さんのDVD「FORGE」、MIZUNO社2013年ウインターカタログ表紙の井山敬介さんの滑走シーンにも現れてくる。
「ニーイン」では、前述の「外足から内肩」のラインで立っている中で行う分には膝には負担がこないが、そうでない場合は怪我にもつながるので、取り扱いには注意が必要だ。
「ニーイン」については、よく理解している指導者の下で身につけましょう。

以上のように、「低速時を思い描いてる運動イメージ」と「高速時を思い描いている運動イメージ」は共通項はあるものの、一致しないものと思った方が良いようです。
なので、「パラレルターンの解説」を聞いている人は、説明している人が思い描いている速度を確認しながら聞かないと、誤解が生じることになるみたいですね。

 

急斜面での高速度ターンの考察
急斜面での高速度ターンの考察
急斜面での高速度ターンの考察
急斜面での高速度ターンの考察
急斜面での高速度ターンの考察
▲ Click here

スキーヤーの運動ぶりを観察する際には、使っている板のラディウス値にも注意しましょう。R21以上の板で滑走する体験も必要ですよ。

 



▲ページの先頭へarchive目次へHOME