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2013年12月21日〜22日で、スキー指導者研修会 東京都E会場(菅平高原)が開催され、18班を担当しました。
天然雪の降雪にも恵まれ、菅平高原は表太郎のコースを除き、全面滑走が可能となりました。
参加者の半数は初滑りとのことでしたので、初日は天狗コースを利用し、長い距離を滑っていただきました。
道具に慣れる、斜面に慣れる、スピードに慣れるという個々の感覚を大切にしていただきながら、ワイドスタンスを利用して中斜面で左右の足の高低差を感じていただくエクササイズをまず体験していただきました。
そして、ターンの中で必ず1回出てくる重力軸を感じるエクササイズを。
体幹主導、両脚一対運動、パラレルターンへの導き、脚の屈伸運動による躍動感、スポーツとしてアルペンスキーを楽しむ、などをキーワードとして、研修テーマの全体像をつかんでいただくように、プログラムを組立てました。
ワイドスタンスでプルークボーゲンから発展してきて、内スキーがフラットになる片プルークが見れるようになってきた段階で、どのような指導をするとパラレルターンに発展できるのでしょう?
プルークでの展開と、シュテムによる展開に共通して、股関節の外転・内転と重心位置の関係を理解して運動を行うと、とてもスムースな滑走が表現できるようになりました。
2日目は、いろいろな斜面を滑走し、オフィシャルブックに掲載されている指導法のテーマを、スピードレンジを軸に検証していただきました。
18班の皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。
初日の放課後は、恒例となっている技術員のトレーニングが行われました。
今回は、風間健太デモから、高速滑降時の基本ポジションと、急斜面での対応例が紹介されました。
彼は、高校時代は八海高校からインターハイに出場した経験があるデモである。
さて、緩中斜面で、プルークファーレンを行いましたが、高速時ポジションが適正であったのは数名のみ。30人ほどは教育本部の「滑るプルーク」のポジションから前に位置できないようでした。
教育本部オフィシャルブックで提示された「指導展開」では、「総合滑降 リズム変化」が、レースカービングを経験した後に位置していることに気づいている方は少ないようだ。
技術選を戦う若い人や、レース経験がある人では、高速滑降時の基本ポジションは、教育本部の「滑るプルーク」の位置とは違うところに基準を持っている。教育本部では「滑るプルーク」という名称で基準とされているが、制動ポジション(後傾)であることを認識しなおした方が良いようだ。
制動ポジションを基準に速度を出すものだから、滑り全体で後傾が現れてくる。テクニカルプライズ、クラウンプライズを目標にしているスキーヤーは、ぜひ考察していただきたいと思います。
また、教育本部の技術員にあっては、もっとスピードの次元が高くなった時にスキーヤーに必要になる分野についても、学んだ方がよいと思う。「教育本部」「競技本部」との区分でスキー技術を分けないで、スピードの次元で技術を整理していきましょう!
【参考】
2010.3.11 基準を見直す
2012.12.24 スキー指導者研修会(E 菅平会場)とマックスパワー!
2013.6.24 股関節の動きを見直そう
研修会終了後は、仲間の技術員とシーハイルコースで高速ターンのトレーニング。前日のトレーニングをベースに実践してみました。
脚の伸展では、ハムストリングはレッグプレスにて鍛えていましたが、ふくらはぎがこんなに活性化するとは思いませんでした。
今まで経験したことがない「板の張り付き感と滑走性」でした。このポジションと感覚で、ニューマテリアルをテイスティングしたかった・・・。
今シーズンは、この感覚を大切にしていきたいと思います。
【写真は、FaceBook Ski Racing Magazineより借用:Bode Miller(USA)】