ここだけの話 archive
横滑りのポジション = 重力方向に真っ直ぐとなるポジションです。
パラレルターンで滑走していると、1ターンにつき1回、必ずこのポジションを通過します。
ターンを時計にたとえると、4時半あたりの場所(ターンの底)で、このポジションが現れてきます。
2014シーズンで開催された指導者研修会、指導者養成講習会で担当させていただいた、100人の方に体験していただきました。その中には国体代表選手もいまして、同様に体験していただきました。
それは…
このポジションになったら、「ここ」と、声を出してみる、というエクササイズです。
(スキーは感じることが大切ですが、声を出すことで、感じること以上に、5感プラスアルファの効果があると思います。
脳科学者の茂木健一郎さんによると、歩きながら音読すると、座って音読する時よりも脳への記憶定着が良いそうです。私は高校時代のテスト前、部屋の中を歩きながら音読して試験をクリアしていました・・・)
斜面の中で、重力方向と一致するポジションが感じられると、斜度、板の向き、板の傾きがなくなり両方の板が水平になっている、などが感じられてきます。
続いての感想で多いのは、両脚でしっかりと立てるので、安定する。
安定した状態が持続しながら、次のターンの前半を迎えられる。
ターンの切り替えしがスムースになる。
など、良いと感じることが多いようでした。
また、山回りの時間帯を短く、谷回りの時間帯を長くすることが、可能になるでしょう。
【山回り】
ターン外側のスキーが谷側にあり、スキーヤーの重心位置がスキーよりも山側に位置する状態でターンをする時間帯のこと。スキーが水平になったら終了。
【谷回り】
ターン外側のスキーが山側にあり、スキーヤーの重心位置がスキーよりも谷側に位置する状態でターンをする時間帯のこと。左右の足の高低差がなくなったら終了。
さて、「ここ」と言った時、その時のポジションをキープしてみるとどうなるでしょうか?
多分、斜行を続けるでしょう。コースが終わるまで…。
もう一つ、
このポジションを会得できましたら、横滑りに移行することもできると思います。
(今時、横滑りなんて必要ない、との意見を聞くことがありますが・・・)
ターンを終わらせ、次のターンを自在にコントロールするためには、このポジション、横滑りにも移行可能なポジションの会得が、パラレルターンに必要だと思うのです。
横滑りで良いポジションで立てない方は、パラレルターンでは無駄な動作が多いことでしょう。
山回りの時間帯が長い = なかなか谷へ落ちていかない = 減速 = スピードを出したいのに出ない
谷回りの時間帯が長い = スムースに落下 = 減速要素がない = スピードを出したい時に出せる
SLでは、振り幅が大きい箇所を、山回り主体で行くのか、谷回り主体で行くのか、で、スピードが全く違ってきます。
ソチオリンピック男子SLの2本目、行けなかった選手と、行けた選手が確かに存在していたことを、どう見るかです。
大回りでも、小回りでも、コブ斜面でも、重力方向を感じるポジションを、是非、感じてみてください。