ここだけの話 archive
「サマーゲレンデ ウインズヒルズ白鳥リゾート」がYouTubeにアップしている動画です。
2014年のサマーシーズンに撮影されて映像のようですので、この記事をアップしている今時点の最新映像となります。
公開されている映像にはコメントはありません。
何を意図してトレーニングしている画像であるかは確認していませんので、以下に記述する内容は、あくまでも私見でありますので、ご了承ください。
湯浅直樹選手の滑りに着目して見てほしいのは、
「ターンの一番膨らんだ場所(時計でいうと3時頃の位置)」から「ターンの外足が斜面の下へ降りていって体を支えらるような位置(横滑りに移行できる位置:時計でいうと4時半頃の位置)」の身体対応と直後の解放です。
それは、スキーヤーの「上半身と下半身のねじれと解放」、スキー板の「たわみと解放」です。
【解放】がキーワードかもしれません。
【解放】: スキーの角付けの解放、スキーの直線的な移動、次のターンを始めるまでの時間帯、アップライトなポジションに戻ることを基本としたい。
この解放を素早く行うために、「身体のねじれ」が必要です。
【参考: スキーの向きと腰の向き 2012.5.18】
【参考: 横滑りはパラレルターンに必要な要素です 2014.6.1】
【参考: アルペンレーサーとして必要なことを学ぼう 2014.7.5】
そして、解放する方向はターンサイズによって違ってきます。
【SLでのバーティカルゲート、モーグルなどのコブ斜面での小回りなど】
横方向の移動距離が少ないターンでは、胸や腰は斜面の下側を向き続け、スキーも谷へ向いている時間が長い。
【GS、SLでのオープンゲートやディレードゲート、基礎スキーでの大回りなど】
横方向の移動距離がしっかりとあります。どのように横移動の距離を調整しますか?
解放への動作を考察する前に、実際に斜面に立ってみて、谷向き、山向きに上体を向けてみてください。
どちらの足に身体の重みを多く感じるでしょうか?
(下の写真は、右側が山側で、左側が谷側の斜面です。足の位置を変えずに、ひねりの方向だけ変えています。)
斜面に立ち、
【正面を向く】 → 両足に同じくらい重みを感じます。
【谷側へ向く】 → 山側の足に重みを多く感じるでしょう。(=重心が山側にある)
【山側へ向く】 → 谷側の足に思いを多く感じるでしょう。(=重心が谷側にある)
次に谷へ行きたいからと、谷側を見続けていると、重心は山側にある続けますから、なかなか谷回りが始まりません。
それに対し、普段の滑りでは山側を見ることは無いと思いますが、ここまで山側を向くと重心は谷側へしっかりと移動し、谷側の足に重みが移動します。スキーヤーを眺めている側から見ると、外向(上体の逆ひねり)の動きをすると、ターンの内側へ素早く移動できるようです。
(ターン始動期のスキーヤーの動きについては後程詳しく・・・)
この観点から見ると、外向(逆ひねり)は無駄な動作ではなく、スキーヤーにとって有効な選択肢の一つと言えます。
スキーヤーが使用している板はSLなのか、GSなのか、描こうとしているターンサイズはどれくらいなのか、このあたりを始めに提示してから会話を進めないと、コミュニケーションは成立しないかも・・・。
また、基礎スキーのように「ブレーキをかけて安全に滑りたい」よいう志向と、ゲートで規制された中を速く滑りたいという志向では、共通することと、違うことが存在します。
それは、スピードの違いによる差です。スピードを軸にして、理論や技法を整理してみましょう。