ここだけの話 archive
今回の金曜の夜は、降雪もなく、予定よりも早く到着できました。
今回の研修会は600名の定員で、今季最大級の研修会となりました。
菅平高原は、水曜、木曜と降雪があったので、クリスマス前にシーハイルコース(裏太郎)を滑ることができました。
今回は18班(同い年の方)を担当いたしました。
今回も初滑りの方がいらっしゃいましたので、道具に慣れる、斜面に慣れるをサブテーマにコーディネートしながら、研修を進めました。
初日の午前に、「高いところ」「横」「低いところ」と声を出していただくエクササイズを体験していただきました。
ゆっくり滑りながら、外足の位置を感じることができます。身体の重みをかける方向が違ってくること、特に「横」から「低いところ」へ移行する部分に意識の差が現れるようです。
そこでは、「身体のパーツで最初に谷側へ落ちていく外足」をイメージすることが重要となります。
そして、重力方向と一致す場所へ外足を素早く移動されることができたら、そこは、「谷足で身体を支えることができる、安心できるポジション」 = 「横滑りができるポジション」 = 「パラレルターンの切り替えしを開始できるポジション」になります。
初心者が安心して滑ることができる要素は、高速で滑る【素敵なパラレルターン】にも共通する要素だと思うのです。
プルークスタンスで滑る内容では、「長い脚と短い脚【長い、短い】」を有効に使うと、斜面の高低差を吸収でき、常に両足で身体を支えることができる「滑るプルーク」のポジションが現れてきます。
しかし、ここで懸念されることがあります。それは、山側の脚が短くなっているのですが、短いままの状態で次のターンを始めてしまうと、両足が常に短い状態になってしまいますので、いわゆる「初心者の後傾姿勢」に陥りやすく、低いポジションが強制されてしまう、ということです。
プルークボーゲンから脱出できない原因がここにあります。
パラレルターンに早く近づくには、「高い所」「横」「低い所」と声を出したら、最後に「戻る」という掛け声で、両脚を「長い、長い」となるポジションを作り、長い外脚の準備が整ったら、曲げ荷重を始める、という運動を一貫して行うことで、滑るプルークはプルークターンに変化することができ、両足荷重のパラレルターンへと発展できるのです。
初日の放課後のスタッフトレーニングでも、残念ながら「短い脚でターンを始める」という現象が出ておりました。
短い脚でターンを始めて、途中から伸ばしていく運動は、低速だからできることです。
【素敵なパラレルターン】を目指すのならば、「アップライトなポジションに戻る」という要素を意識した方が、早く上達できると思います。
私たち指導者の役割は、「早く上達できる内容を、やさしく、簡単に説明して、成功体験をたくさん感じてもらうこと」だと思います。
4級のシュテムターンでは、「プルークボーゲンで回りきってからのシュテム動作、からの滑落」は、「横滑りの初歩動作」と重なります。
シュテムのカリキュラムでは、「回りきってからのシュテム」のタイミングから、「谷回りでのシュテム」へターンの早い局面でシュテム動作を展開できることを目指すと思います。これができるようになると、パラレルでサイドスリップしなが、スキーに重みを与え続ける【素敵なパラレルターン】の原型ができると考えます。
横滑りのカリキュラムも同様に、「ターンの後半からの横滑り」から、「谷回りからのサイドスリップによる太いシュプールのパラレルターン」と展開していくと、パラレルターンで切り替えした直後から、スキーに重みを与えることができる【素敵なパラレルターン】につながっていきます。
【素敵なパラレルターン】の領域になってくると、アルペンスキーの運動特性、「スキーとブーツのたわみと戻りをうまく使い、スピーディなターンを楽しむ」ということになるでしょう。
この領域になると、体力の増強や、ブーツや身体のアライメントを整えたり、など、高負荷による怪我の予防も意識していくことが必要になります。
今回も、このような内容を提示いたしまして、スキーの理論と指導法を見つめていただきました。
18班の皆様、楽しく研修ができまして、ありがとうございました。
あなたも、スピードを楽しむ、という原点を見直してみませんか?