ここだけの話 archive
この斜面怖いな、みっともない姿をしたら恥ずかしいな、と思い、【恐怖を感じる】のは【大脳】です。
今やろうとしていることに思いをはせずに、他のことを考えていると、100%の力は当然発揮できない訳です。
参考: 怖いと思うこと(何が) 2016.4.20
15歳でドラム演奏を始めた私の目標は「プロの演奏の真似をすること」・・・
オープンリールのテープにプロの演奏を録音し、2分の1の速度で再生して、一つ一つ音を拾い、コピーしました。
テンポ120以上で、32音符を叩く時、大脳を静かにし、小脳と腕の筋肉に会話をさせ、出てくる音(自分が発した音とリズム)を聞いていました。
テンポがよかったり、崩れたり・・・。
2年前、ボウリング場にて初めてマイボールを作り、それから3か月練習したところ、234点のスコアが出ました。
一投毎に一喜一憂するのではなく、体幹の安定と腕の振り、ボールをリリースする時の落とし場所を感じること。
ストライクが出たり、スプリットが出たり・・・。
どちらにも共通しています。
音楽も、スポーツも、小脳と筋肉が会話し、理想的な動きを小脳が覚え、いつでも再現できるというところ・・・。
自転車に乗れるようになると、何十年も乗っていないのに、すぐに乗りこなせるということです。
小回りターンをトレーニングする時、ターン数をカウントアップするメニューを多用するのは、カウントアップの作業を大脳にさせておくことで、余分な思考を抑え、小脳と筋肉の会話を阻害しないためです。
【失敗】は失敗ではありません。
うまくできなかった一つの経験です。ただそれだけです。
これを認識しなくては、同じことを繰り返してしまいます。
失敗を恐れてはいけません。数多く失敗することで、運動の振れ幅やタイミングが調整され、洗練化という道筋を進むことができるのです。
【Think and Feel】
考えるのはリフトの上です。
滑りだしたら、やろうと決めたことに徹し、今どのようになっているか(いたか)を感じること、探ることです。
「うまくできたこと」「うまくできなかったこと」どちらも正確に認識し、一つの体験として感じるのです。
例えば、
中回りでゆっくりと滑るとした場合、
ターンの切り替えしから板がフォールラインを向く谷回りの時間帯に「1・2・3・4」と数えてみる。
板がフォールラインに向いた場所から板の傾きが「0」(水平)になる山回りの時間帯に、「5・6・7・8」と数えてみる。
テンポ、リズムがあり、それに運動が調和されてくる。
だからゲート(ショートポールを含む)トレーニングは、聴覚と視覚の両方から働きかけることができるので、運動の調和に有効なのです。
私は、トランシーバーを使う講習は好きではありません。
トランシーバーを使い、生徒さんが滑っている時間帯に、講師が指示を出すようなトレーニングは、大脳に働きかけるので、逆効果です。
動きたくても動けなくなります。
トランシーバーを使うのであれば、テンポのカウントを聞かせる(滑り手の運動タイミングで補正が必要ですが・・・)、または、生徒間の同意を得たうえですが、滑り終わった時の講師からの説明を、スタート位置にいる生徒さんにも聞いてもらう、というのであれば・・・
というところでしょうか。
失敗も含めて、経験を大切にしてほしいからです。
最近、
大脳で運動をコントロールしているの?
と思うようなことに出くわします。
4ターンして、
4ターンを評価されて、
4ターンができるように努力する・・・
山頂から山麓まで滑りきったら、いいのに・・・
もっと、自分の小脳と筋肉を信じたらいいのに・・・。
(月山の写真は本文とは関係ありません。
月山で滑るスキーヤーは本物の愛好家です!)