ここだけの話 archive
コブを乗り越えるシーンのイメージ図です。
緩斜面から急斜面へ落ちていきますので、それに合わせて、
(1)スキーのトップを落として、
(2)上体(重心)を落として・・・
という動きをイメージすることでしょう。
しかし、・・・
この対応では、成功するのは、きまって2ターン目まで。
3ターン目から動けなくなるんです・・・。
なぜなら、
滑走スピードが上がり、勢いがつくと、
足首が緩み・・・、
平地で立っている感覚で(重力を感じて)、スキーヤーの身体では、足(ブーツ)が一番最初に落ちていくのです。
「後傾」になり、コブの形状に、運動リズムを合わせられなくなります。
また、お尻を落としやすくなり、動けなくなります。2016年の月山での私の例。
さて、それでは、どのような動きを基本としましょうか?
ここで、【股関節の伸展】を使うことをお勧めします。
股関節を伸展させるには、【腸腰筋を伸ばすこと】と【ハムストリング+大殿筋を収縮(短くする)】の前側と後側、2つの筋肉群の動きを意識します。
大腿骨を動かすには【腸腰筋】の伸び縮みを行います。若いスキーヤーは無意識で出来ると思いますが、中高年のスキーヤーは、しっかりと意識して動かしましょう。
30cm位のボールを用意します。空気をかなり抜いて、「ぐにょぐにょ」にしておいて使用します。
(1)膝裏にボールを当てて、ふくらはぎと腿裏でボールを挟みます。
(2)ボールを落とさないように膝をしっかりと締め、腿を上に引き上げます。腿は水平からそれ以上に。【股関節屈曲位】
(3)ボールを落とさないように膝をしっかりと締め、脚を後方へ動かし、腿は垂直方向よりも鈍角になるように。【股関節伸展位】
これを、ゆっくりと繰り返します。足首が伸びないように注意しましょう。
【股関節の屈曲】 |
【股関節の伸展】 「みぞおち」から脚を振る |
→ 右の写真は、昨年(2016年に)撮影したものです。
ハムストリングの収縮量が少ないので、足首を伸ばして、ふくらはぎの収縮を補助動作として使っています。(エラー動作)
足首を曲げた状態を保持し、ハムストリングを縮めてみましょう。
横から見ると、股関節を支点にして、脚が前後に振子のように動かします。
【股関節の伸展】が理解できたと思います。
これをコブ滑りの動作に当てはめてみますと・・・・
緩斜面から急斜面へ移動するタイミングで、【股関節の伸展】を使うのです。
この位置にポジショニングができたら、急斜面を押せます!
次は、このシーンでの【内脚の使い方】について、提案します。
【内脚の外旋】+【内股関節の伸展】 = <合力>【斜め後ろにブーツを位置させる】
言葉よりも、画像をどうぞ!
【股関節の屈曲】 |
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【股関節の外旋】 |
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【内股関節の伸展】 |
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【股関節の外旋】 + 【股関節の伸展】 |
= 内脚の収まり場所 |
左ターンの谷回り |
【ハムストリング+大殿筋】の収縮は、経験不足の方が多いのでは?
アルペンスキーのトレーニングで代表的にもなっている「スクワット」。
スクワットばかりしていると、ハムストリング+大殿筋の【伸展】に特化してしまい、収縮できにくいようになってしまうかも。
ハムストリング+大殿筋を伸展させるパワーも必要ですが、収縮させる使い方を、意のままに使えるようになりましょう。
そうすれば、良いことが多く出てきます。
瞬時に足を身体の後ろ側に位置させることができれば、
コブ滑りにも、高速度でのターンの切り替えし(外脚の入れ替え)時にも、雪面へ力をうまく伝えるポジションに、素早く対応できると思います。
プライズ検定をクリアされたい方は、是非、ご検討くださいませ。
股関節の伸展をトレーニングされるなら、ランニングが最適です。走るスピードは、ゆっくりでいいと思います。膝に故障がある方では、大股で早歩きをすることも良いと思います。
「みぞおち」から、脚を振るようにして・・・。
ジムでのトレーニングよりも、遥かに数多く、ダイナミックストレッチをすることになります。
小1時間くらい走ると、1万歩くらいになります。脂肪も燃焼できますし・・・