ここだけの話 archive
2023年春 モーグル競技オリンピアン 原 大虎さんと2日間滑る機会をいただきました。
企画していただいた 山崎操さん、ありがとうございました。
今回の映像は、受講から2週間後に復習した15時過ぎの滑りです。
61歳のシーズンでしたが、猛烈に変化できました。
若い時よりも、色々な知識を学んだベースがあったからこそ、一度の吸収度が高くなったと思われます。
コブ斜面をヒョイ・ヒョイと降りて行きたいスキーヤーの考察に参考になれば・・・
【写真1】
コブ斜面を小回りで降りていく時
足元の状況を確認してみませんか
写真1は、
左方向に向かう山回り、右脚が谷側で、
右のブーツは左ブーツよりも高い位置にあり、
左のブーツは低い位置にあります。
左右のブーツ位置に高低差があることを感じていますか?
整地と違い、この足元の高低差が、ご自身の水平感覚と身体運動に誤差を生み出していることの原因です。
次に、動作を考察するために基本姿勢を確認します。
2023年2月-3月 NHK Eテレ 趣味どきっ! 「古武術に学ぶ体の使い方」 で紹介された立ち姿勢、基本動作がズバリ最適です。
今ならテキスト購入できますので、お手元に是非・・・
<立ち方>
足を少し開いて立ちます。
【NG】
肩甲骨を寄せ、胸を張る(「気をつけ」の姿勢)
↓
胸を張ると反り腰になり、体に緊張が生まれます
↓
反り腰では「骨盤が前傾」した状態になります。
↓
大腿部前面、肩の前面に力が入り、素早い動作を阻害します。
【OK 正しい後傾姿勢】
骨盤をゆるやかに後傾させます
↓
骨盤をゆるやかに後傾させることで、背骨も下に引っ張られて自然にすっと伸び、背骨を軸に立ちやすくなります。
↓
胸を沈める
↓
背筋は伸ばすが胸は張らない。胸郭を落とすようなイメージで下げます
↓
大腿部前面、肩前面の力が抜け、ハムストリング、背骨(体の背面)で体を支えます。
膝を床につけた膝立ち姿勢で、骨盤の動きの違いを確認してみてください。
<コブの壁にぶつかった時の動作>
山回りの時間帯にコブの壁にぶつかる。
ターン外側の股関節を浅く曲げ、ぶつっかた衝撃を逃がす(写真1)
↓
【背骨を真っ直ぐに保ったまま】、股関節を浅く曲げる
背骨を前側に傾けると、骨盤が前傾してしまう=反り腰
コブにぶつかった衝撃で頭の位置がさらに谷へ運ばれてしまう。
(再掲)
ここでは、谷側のブーツが高く、山側のブーツが低い位置にある
↓
山側の脚は、若干長くなっていて水平感が保たれている
(注) 整地の小回りでは、この姿勢と同時にストックを突くことが習慣になっていることでしょう。
コブ斜面で同様にストックを突いても、スキーはコブの壁に遮られて、ターンが始まりません。
コブにぶつかった後は、動きを我慢して出口まで移動します。
【写真2】
<コブの出口を迎えた時の動作>(写真2)
ターン外側の脚を入れ替えます。
↓
今滑ってきた外脚(谷側)でバランスを取っていた「軸」を
次の外脚(山側)に交換します。
次の外脚 = 山側の脚 = 山側の脚は若干長くなっている
次の外脚と雪面からの距離を、今滑ってきた外脚と雪面からの距離と同じ長さにできたら(短くする)、安定感を同じ感覚で受け継ぐことができます。
↓
そのために、【背骨を真っ直ぐに保ったまま】、次の外脚の股関節を深く曲げる。
【NG】
今滑ってきた外脚(谷側)でバランスを取っていた「軸」が交換できなかったら、
次の外脚は長いまま谷回りで雪面抵抗を捉えてしまうので、そこから股関節を曲げるのは容易ではありません。
また、内倒につながります。
以上、股関節を曲げる運動は2回必要です。
1回目はコブにぶつかった時(浅く)、
2回目はコブの出口で(深く)
そして、バランスの支点を右股関節⇔左股関節と交互に交換しながら・・・
原大虎さんと一緒に滑る機会は、マイズスキーファクトリーのサイトを探してみてください。
(参考)
2006.1.10 はじめに