最近のチェアリフト、特に高速リフトは、乗り場は平地でそのまま椅子に座ることができるが、降り場はスロープになっている構造が多いように思います。
初歩動作で緩い斜度で止まる動作がうまくいくようなら、リフトに乗って行動範囲を広げることが次の課題になっていきます。スキー学校の初心者クラスでは、レッスン開始後遅くとも1時間後にはこのシーンを迎えるようにしています。
乗り場では以外とスムースにいくでしょう。(でも、リスク管理はしっかりとしましょう。)
問題は降り場です。リフトから降りる動作に引き続き、スロープを下るという動作が要求されます。
まず、【椅子から立ち上がる】という動作を考えてみましょう。
椅子に座ったところから、上体をそのまま上に引き上げるように立ち上がろうとしたら、どうでしょうか?
大腿四頭筋(腿の前面)をたくさん使い、筋力の反作用(勢い)を利用することになるので、力尽きて腰砕けとなる場面もでてくることでしょう。
それに対し、次の順番で動作してみましょう。
(1) 椅子に座ったところから、両膝に両手を置きます。
(2) その手を脛の方向に落としていきます。
(3) その手の動きに引きずられて、頭(上体)が前方に傾いていきます。
(4) その手をさらに下へ落としていきながら、お尻を上げてみましょう。 (このバランスで腰を上げる動作を行うと、ハムストリングス(腿の裏側)の筋肉を使いますので、筋負担が少なくて済みます。)
(5) もうこの段階で腰が椅子から浮いていますので、前方に傾けた上体を起こしてバランスを整えます。
(6) 滑り方は先程体験したとおりです。スロープを滑るには顔を上げて前を向きましょう。
指導対象の人数にもよりますが、できればリフトに乗車している時に説明できればベストです。次の課題に面した時が一番吸収しやすい時間帯だからです。
うまく立ち上がることができたら、バランスの良い滑走ポジションが成立していますので、リフトから降りるスロープで転ばなくなります。
(2008.9.15)